第十一章   飛び出せ青春 第35話~第40話 ロケ地 ( 伊豆シャボテン公園 城ケ崎海岸 砧中学校 爪木崎 他) あらすじ




第41話 星の王女様になりたい 



森下真紀が東校のある男子生徒から18枚ものラブレターを受け取り、それを3-Dのマン-に見せびらかせている。それを大島妙子(小椋寛子)はうらやましそうに見つめていた。
さらに寮では「1973年度ミス・ラーメン」なるものに真紀が選ばれ、男子生徒から多くのプレゼントを受け取る。
 真紀と大島は寮では同室。大量のプレゼントを見て、大島は複雑な気持ちである。妙子もボーイフレンドが欲しい。そして、彼女は片桐に目をつける。たまたま、片桐が寝冷えをしたことから妙子は腹巻を編んで片桐にプレゼントすることを思いつく。そして、毎晩夜遅くまで一生懸命編み続けた。
 そしてある日、片桐にそれを渡そうとするが、片桐は受け取ってくれない。結局、彼女は仕方がなく自分でその腹巻を巻いて寝る。
 片桐に相手にされなかった妙子は谷岡をフォークのコンサートに誘ったり、柴田・山本をスケートに誘ったり、また、秀才中尾に勉強を教えてもらいながら気を引こうとするが、いずれもことごとく失敗する。大島は徐々に気が滅入っていく。
 そんなある日の日曜日。大島妙子一人が部屋にいるのを目撃した河野は「他の皆、どこかに出かけている。お前も出かけたらどうか」と薦める。大島は「今から出かけるところ」と答え、その後、河野の部屋の外から「先生行って来ます」と声を掛ける。その後、彼女は池で寂しそうに一人で歌を歌っていた。しかし、その後ろ、なぜか休み中の教室に一人だけで座っていた。それを日直当番の元倉明子先生が見つける。元倉が手元の腕時計を見ると時刻は午後17:30を指していた。元倉は大島に「もう寮へ帰ったら?」と薦め、大島も了解する。元倉はこのとき女のカンなのか「変ね。変だわ」とつぶやく。大島の行動に不審をいだいたのだ。
 そして、その直後、たまたま、路地を歩いていた柴田・山本は「キャー」「助けて」という女性の悲鳴を聞きつけ、駆けつけるとなんと服が破られている大島がそこにいた。誰かに襲われたのか?!
 大島はなぜか柴田・山本を振り切り寮に逃げ帰る。そして、異変に気づいた女子生徒たちに保護される。そして、大島を追って寮にはいってきた柴田・山本を「捕捉」する。
さらに片桐もその現場をたまたま通りがかり、落ちていた大島のクツを拾って、寮に帰る。無論、片桐は大島の事件や拾ったそのい靴が大島のものであることなど知る由もない。
 完全に浮きあがってしまった女子生徒たちは218号室の小西・谷岡・中村や中尾、そして、たまたま中尾の部屋にいた木次たちをつぎつぎと疑って追求していく。その騒ぎを聞きつけて河野がやってきた。そして大島妙子への「暴行事件」を知り、驚く。
 河野は大島を部屋に呼び、「犯人」をただすが、大島は動揺しているのか答えない。河野も困惑してしまった。男子生徒たちはそれぞれ自分の無実を大島に証言してもらおうと必死になるが、大島は「あなたが犯人でないと言ったら他の人に疑いがかかる」と取り合わない。男子生徒同士も互いに疑心暗鬼になっていく。一方河野からそれを聞いた元倉は大島への疑念を深めていった。
 そして3-Dの教室では女子生徒主催の「犯人探し」が行われ、河野・元倉も参加した。大島は「もうやめて」と中止を求めるが、森下たちは続行を決める。そして、まず大島に事件の発生時刻を確認する。大島は「あれは確か17:30-18:00頃だった」と答える。それを聞いた元倉はおかしいと考える。元倉はあの日17:30に教室に一人で座っていた大島と話をしていたのだ。しかし、元倉はここは黙っていた。
 そして、この「犯人探し」をこっそりと立ち聞きしていた塚本はただちに江川教頭に報告した。犯人探しのほうであるが、男子生徒たちのアリバイが次々と証明されていった。谷岡は腹痛でトイレでがんばっており、30分後河野がはいってきて「雨雨降れ降れ」の歌を歌ったのを聞いた、と述べ、河野がそれは間違いなく自分だと証言する。また柴田・山本はシャルダンという喫茶店に入っていたことを述べ、それは元倉が証言する(柴田山本の忘れ物を店の人が学校に届けてくれた)小西は田舎の母に電話していた(おや?第5話では小西は母にすてられたのではなかったか・・・・)。中村はウメさんと寮の食堂にいた。中尾は垣根越しに寮の裏のおやじと話をしていた。木次は駅前からタクシーに乗って寮に向かった。
 各人それぞれが身の潔白を証明していく中、片桐だけが無実を証明できない。女子生徒たちは犯人が片桐であるとほぼ断定してしまう。
 そこに江川・塚本がはいってきて、今回の暴行事件につき処分を決するための職員会議を開くと宣告する。
 正門前の池のほとりで元倉は河野に真相を告げる。つまり、今回のことは大島の狂言・作り話である・・・と。大島は劣等感にさいなまれ自己顕示欲から、皆の注目を集めたかった。特にルームメイトが森下のように華やかな人物なので屈折した感情が余計に増幅された・・・というものだ(見事な心理分析!わかる!わかる!)
 元倉は大島の部屋を一人で訪れ、やさしく、真相をただす。大島も素直に狂言を認め、告白書を元倉に託す。元倉はそれを処分検討中の職員会議にて公表し、河野・片桐の嫌疑は晴れる。
 大島は退学を決意し、学校を去ろうとする。しかし、真相を知った3-Dのメンバーに引き戻される。そして、ここがクライマックス。掲示板の前で、片桐は河野・元倉や3-Dのメンバーを大島から強引に引き離す。木次が片桐に「お前まさか暴力をふるうんじゃああ」と諭す。片桐は「お前たちには聞かれたくない話がある」と答える。そして、一人話された大島の前で土下座して「あれ(腹巻)俺にくれよ」と頼む。大島は涙が止まらない。片桐のこの行動は同じ男性として、見ていて涙がでそうだ。さらにバックに流れるBGMがまた、うまく、このシーンを盛り上げる。このドラマ、やはりすばらしい!
 片桐はその腹巻を巻いてサッカーの練習にいそしむ。元倉は「あの腹巻は何なの?」と女生徒たちに尋ねるが、女生徒たちは「先生も河野先生に腹巻を編んであげたら?」とからかわれる。そして、サッカー部員は海岸をランニングするのであった。
  さてこの大島妙子の歌声はすばらしい。池のほとりで歌う「さよならするのはいつも・・・」の歌。曲名はわからない。シンガーでもあったはず。彼女の髪型は私が中学生時分の流行の髪形であり、ある意味、大島こそ、われわれの身近にいた当時の女子高生を象徴しているのではないか。
 ネットによると今は浜松でスナックを経営されているらしい。

※ロケ地情報

① 国士舘鶴川・・・
サッカー部の練習(片桐が練習中腹痛を起こし、トイレに向かって走っていくシーン。最後、片桐が腹巻を巻いて、練習)
② 日大明誠・・・
池(大島妙子が腹巻を編むシーン。大島が一人でさびしそうに歌を歌っているシーン。元倉が河野に真相を語るシーン)
掲示板前・・・
片桐が大島に土下座して腹巻をくれと頼むシーン
③爪木崎灯台下・・・
最後のランニングのシーン。このランニングは爪木崎灯台下ともう一箇所別の海岸で撮影されているようだが特定はできていない。白浜海岸だとは思うが・・・

なお、2025年時点で、あるサイトによると、大島が悲鳴を上げた路地は砧中学校近辺とのことである。また、行ってみたい。
※マニアック情報

① 今週の委員・・・立花○、中山○一○、○鈴江



第42話 教師は生徒の応援団 



個人的には全43話の中でも特筆すべき最高傑作だと思っている。
練習中にトレパンが破れた河野は、元倉に縫ってもらう。大感激の河野だが、その様子を見た江川は呆れた様子だ。そして、河野に「とにかく何も問題を起こさず、一人残らず卒業させること。そのためにも生徒には自重するよう諭せ」と命じる。
 河野はその言葉は軽視するが、3-Dのメンバーに「悔いのない残りの高校生活を送って欲しい。教師は生徒の応援団だと思っている。死ぬまで旗を振り続ける」と述べる。
 片桐はこのことばに触発され、なんとか、森下真紀をデートに誘うことに成功する。ただし、彼女に一つ条件をつけられてしまう。それは第3者を連れて、3人でということだった。そして木次が同行し、片桐・森下とともにサボテン公園へ出かける。
 木次が邪魔な片桐は木次に「応援するならずっと向こうの方で応援してくれ。ずーっと向こうで。少しは気を利かせろよ」と河野の名前を出しながら、要求する。
 木次も仕方がなくそれに応じる。その様子を見ていた美少女が突然、微笑みながら木次に近づき、自分がシャボテン公園を案内してあげると申し出て、木次は小躍りして喜ぶ。
大室山と「ヒドラ像」 温室
大室山と「ヒドラ像」(2004年撮影) シャボテン公園温室


シャボテン公園ハウス内
シャボテン公園ハウス内

 彼女はなぎさ高校の岩崎あさ子というらしい。そして、シャボテン公園の中を案内しながら「自然の前では人間なんてちっぽけ。人間ってむなしい。なぜ指は5本あるの?」などと「哲学的」なことを述べる。そして、木次の語る河野の話を聞きながら、ぜひ自分も太陽学園に言ってみたいと言い出し、木次も嬉々として引き受けた。
 そして、岩崎が太陽学園に遊びに来た。正門前でサッカー部員全員が出迎える。そこに河野がやってきた。すると岩崎は木次たちは無視して、河野の喫茶店で待っていると告げてそそくさと帰ってしまった。河野はどうも彼女と知り合いのようだ。木次は虚仮にされた。そして、河野に事情説明を要求する。河野によれば、彼は6年前大学生のときに岩崎の家庭教師をしていたのだった。その上で父母は銀座で喫茶店を経営していたのに、なぜ今、この近くにいるのだろうと、不思議に思った。
 そして、その時分のことを回想する。―――――――――――――――――――
あさ子は父母の本当の子ではない(赤ん坊のときにもらわれてきた)という叔父の話をこっそりと聞いてしまった。河野は「例えもらわれてきたとしてもあんなに可愛がってもらているのだからいいじゃあないか。先生はあさ子ちゃんの応援団だ。フレーフレーあさ子と一生旗を振り続ける」と彼女に語る。―――――――――――――――――――
 練習後河野は喫茶店に行くがそこにはあさ子の姿はすでになかった。そして置手紙で「明日、シャボテン公園でずっと待っている」と河野に伝言を残していた。
 さて、グラウンドでは山本・柴田はサッカーボールの飛距離の記録を残そうと練習している(山本はプロ野球のホームランの飛距離記録は元西鉄ライオンズの中西太の450m・・・おそらく150mの間違い・・・と引き合いにだす)木次は河野に対する怒りが収まらず、その怒りをサッカーボールにぶつける。そして、ボールは遠くとび、職員室の窓ガラスをどんどん割っていく。江川たちはパニックに陥る。片桐たちが止めようとしても木次の耳にははいらない。
そのころ河野は岩崎あさこと公園を歩いていた。彼女によるとおととい、片桐・木次が河野の名前を口にしているところにたまたま居合わせ、河野に会いたいと思ったという。
 そして、彼女は河野を父母に合わせるということになり、河野がついていく。しかし、行き着いた先は「お墓」だった。3年前父(利太郎)ががんで死に、看病疲れで母(よし江)も病死したという。今は叔父に引き取られているそうだが、財産目当てだと彼女は語る。そんなあさ子に河野は醜く生きることも必要だという。
 河野は学校に戻り木次がほぼ全部の職員室のガラスを割ったことを知る。江川は河野に「残りの授業を生徒全員がひとつのこらず出席しなければ卒業は認めない」と決定する。
 河野はそれ承知し、授業にはいる。しかし、突然緊急の電話がかかったきた。なんと岩崎麻子が孤独感にさいなまれて自殺を図り、危篤だというのだ。あわてて教室を出て行く河野。事情を知らない3-Dのメンバーは河野が授業を放り出して女に会いに行った、自分たちの卒業が不可能になったと騒ぎ出す。そして元倉が事情を説明する。
 河野が病院(大島病院)に到着したとき、岩崎麻子はすで亡くなっていた。遺書によるとあさ子は本当は木次・片桐にあった日に死のうとしていたが、先生と会ってから死のうと考え直したので、死ぬのが少しのびたたけ。私は大変満足して死ぬ・・・というものだった。河野は激しく動揺、自問自答を繰り返す。なぜ、救ってやれなかったのかと。
 夜、学校に戻ると、教室ではまだ電気がついていた。生徒たちは河野が帰るのを待っていたのだ。河野は元倉にさとされ、教室へ向かう。
 河野は言う。「俺は応援団だ。お前たちの応援団だ。どんなことがあっても絶対に死ぬなんてことをかんがえるんじゃあないぞ!」
 皆、それぞれ、悲しみながらも力強くうなずく。そして英語の授業が続いた・・・。
 このラストシーンはBGMもあるが、何回見ても感動する。本エピソードは自殺という非常に重いテーマを扱っているが、孤独感にさいなまれて死を考えるというのは、私もよくわかる。どんなに物質的に恵まれていてもやはり孤独はつらい。  

※ロケ地情報

① 国士舘鶴川・・・
サッカー部の練習(河野のトレパンが破れる(1回目))
          木次の怒りのキックのシーン。
② 日大明誠・・・
グラウンド(河野のトレパンが破れる(2回目))
円形校舎前(3-Dのメンバーそれぞれが何か思い出になることをしようと話し合うシーン)
正門前(サッカー部全員で岩崎を出迎えるシーン)
③ 城ヶ崎海岸(海洋公園)
④ 伊豆シャボテン公園・・・
岩崎が木次と「デート」するシーン。ウルトラマンに出てきた「ヒドラ」の像は今も健在。大室山の稜線もちらっとだ見える。

伊豆シャボテン公園の位置位置 伊豆シャボテン公園場内概略図
伊豆シャボテン公園の位置位置 伊豆シャボテン公園場内概略図



※マニアック情報

①今週の委員・・・吉本○朗、黒田寛一



第43話 仰げば尊し我がビギン 



いよいよ最終回である。
卒業式を控え、音楽室では矢口先生(佐々木)による「仰げば尊し」の歌唱特訓が行われている。3年生の中でD組だけがハーモニーは合わないし音程も狂っているため放課後に特別に実施しているのであった。しかし、3-Dの連中、とりわけサッカー部員はトーナメント戦を控え、歌唱練習どころではない。「仰げば涼しい我が痔の尻」などとうたいながら集団で教室を出て行く。
 激怒した矢口は職員室で河野に抗議、江川・塚本もそれに加勢する。しかし、元倉は「特訓してやるような歌ではない」と特訓に反対、さらに杉田校長までもが「歌に心がはいっていなくてはだめだ」と矢口を諭す。
 矢口は心おだやかではない。そして、職員室の河野の机の上のスケジュール表に記載されている、対戦相手を決する抽選日の日付をこっそりと書き換えてしまった。(第47回全国サッカー杯の抽選会は本来は二月十二日の十時開始なのだが、矢口は十二の二の漢字に横線1本を追加し、十三にしてしまったのだ)。そのため、太陽学園はトーナメントに出場できなくなってしまった。矢口はそれでも「あなた方が私に意地悪をしたので、私も仕返しをさせていただいた。ホホホホホ」と、なんの反省も無い。
 部員たちは河野にあたるが、最終的には「どうせ東校とあたっても勝てっこない」「どうせ俺たちクズチームだしな」とあきらめてしまった。
 河野は自身の確認不足を猛省するとともに、やはり、東校と試合をさせてやりたいという強い気持ちから、東校サッカー部長の木下(藤木悠)に試合をしてくれるよう懇願するが断られる。さらに、砂浜で練習中の東校のサッカー部員に土下座までして、試合をしてくれるようお願いをする。結局キャプテン(以前の水谷邦久ではない)が浜のはずれまで犬のように頭だけでボールをドリブルすれば試合をする、という無理難題を吹っかける。河野はプライドをずたずたにされながらも、その言葉を信じ、頭だけでのドリブルを始める。しかし、そこまでさせておいて、東校の部員たちは「あんな先生のいるところと試合などできない」と河野を放っておいて、立ち去ってしまう。この光景を見た矢口教諭は初めて自分のしでかしたことの重大さを知る。
 そして、矢口は東校に出向き、サッカー部員に「あなたたちが太陽学園とサッカーの試合をしてくれるまでここで座り込みをする」と宣言し、グラウンドでの座り込みを開始する。それは東校サッカー部員が練習を終了した後、夜まで続いた。
 話を聞いた、河野と元倉、ウメさんが矢口を迎えに行く。矢口はすでに神経痛の症状が出てた。そして、河野に負ぶわれながら、学校へ戻っていく。
 矢口は河野に泣きながら謝罪をする。そしてたまたまとおりがかった、東校サッカー部長の木下と出くわし、木下もはじめて事情を知る。
 木下は東校サッカー部員の言動への怒りを述べた後、河野に対し、飲み比べをしてもし河野が勝ったら、試合をする・・・と約束する。
 河野は飲み比べには負けるが、泥酔した木下はひとり、太陽学園の寮に入り込み大声で「俺はお前たちと試合するぞ」と告げる。そしてこんどは涙を流しながら「いい先生だ。お前たち、あんないい先生がいて幸せだ」とつぶやく。
 こうして晴れて太陽学園サッカー部は県立東との試合をすることになった。皆おおいに張り切る。そして作戦会議。マネージャーの畑野は前から考えていた作戦として、前半45分と後半30分は一切の攻撃をせず、ただひたすら相手に得点を与えないことに集中する。そして、最後の15分、皆は他のことは何も考えず、ただ片桐にボールを渡すことだけを片桐はコーナーに陣取る高木にパスを渡すことだけを、そして高木は最も困難とされるコーナーからのシュートを決めることだけに専念する・・・というものだった。
 河野は一旦は「まともな作戦じゃない」というが、畑野の「ガラクタはガラクタなりに」ということばに高木が触発され、この作戦を実行することになった。
 また女生徒たちはそれぞれ個別にマンツーマンで部員の世話をすることになる(森下は片桐を生田は高木をetc・・・)  そしていよいよ試合の日が来た。杉田校長、江川教頭、塚本、元倉、ウメさん、養護教諭の瀬川、そして3-Dの生徒たち・・・大勢の人が応援に来ている。
 試合は、畑野の作戦通り、東校のメンバーを撹乱しながら、うまく進んでいった。しかし、途中、やはりというか高木の個人プレーのため1点取られてしまった。そして、いよいよあと残り15分。作戦の仕上げとして、皆必死に片桐にボールを送る。そして、片桐は高木にパス、高木は見事にそれを決め、1点を取った!
しかしこれでやっと1対1の同点。さきほどの1点がきつい。しかも、残りはあと1分。畑野をはじめ誰もが引き分けを覚悟したその時!相手が反則行為をした。最後のチャンスが到来。高木は生田の「高木君。それが決まれば私もキスしてあげるわ!」の声に奮闘し、高木は見事にそのペナルティキックを決める。その瞬間、試合終了のホイッスルが鳴る。とうとう我等が太陽学園サッカー部は東校に勝ったのだ。東校の木下部長も「勝ちやがったよ。あいつら勝ちやがったよ」と感慨にふける。また、あの江川・塚本も抱き合って涙を流しながら勝利を喜んだ(人間やはりいいところがあるものだ)
 試合終了後、試合に使われたボールを畑野が河野に渡す「私たちからのプレゼント。最初で最後のプレゼント・・・・」河野がそれを受け取る。
 その時、音楽教諭の矢口がおもむろに皆に言った。「仰げば尊しを歌うのよ」「今なら歌えるでしょう。河野先生のためなら。歌って頂戴。最高の歌を・・・」
 やがて、高木が「仰~げ~ば~尊し~」と歌いだし、皆もそれに追従し、合唱となった。河野は恥ずかしがるが杉田校長に「しっかりと聞きなさい」と諭される。
 こうして、グラウンドにいる全員が「仰げば尊し」を2番まで歌ったのだった。
 教室では河野が一人で涙を流しながら出席簿を読み上げていく。「泉恵子、大島妙子・・・・」元倉がはいってきたので、河野は涙を流している時分が少しはずかしくなった。そんな河野に元倉は優しく声をかける。
 と、その時、窓をたたく音が。高木をはじめ、3-Dの連中だった。そして皆が河野をからかう。河野は、「なにを」といって、窓から飛び出し、皆を追いかけ始めた。このとき河野ははいていた靴を脱いで投げるが、これは第一話で柴田・山本を追いかけていたシーンに対応する。
やがて、皆は海岸を走り、最後は灯台に到着する。
皆、満足げな顔だ。そして灯台をぐるりと囲み、最後は海に向かって皆で「Let‘s Begin」と海を指差しながら叫ぶ。  これが飛び出せ青春の最終シーンである。
 「仰げば尊し」の歌は今でも歌われているのであろうが、こんな感激的な歌われ方はそうそうはないだろう。

※ロケ地情報

① 日大明誠・・・
東校舎南端(『抽選日は確か十二日だった』と河野が皆に教えるシーン)
         グラウンド(最後、河野が皆をおいかけるシーン
② 国士舘鶴川・・・
③ ふぐちり「いさみや」・・・
河野と木下が飲み比べをする店。特定できていない。
              なお、店には「東山盛」のポスターあり。
④ 爪木崎灯台・・・
ラスト。皆で海に向かって「Let‘s Begin」と叫ぶシーン
⑤ 東校のグラウンド・・・
特定できていない。


※マニアック情報

① 河野が最後に読み上げる出席簿
泉けい子、大島妙子、大野ふみ子、片桐治朗、木次祐一、栗本よう子、小西猛、桜井ひろ子、柴田良吉、島崎あけみ、高木勇作、谷岡治朗、中村清、中尾洋一、ナカダとしお、橋田啓介、畑野ふみ子、森下真紀、山本大作・・・・・以上19名。
生田みどりや落合、野口早苗(月光仮面に誤解され泣いた女性)、武井や兵頭(火野正平)、林(水谷豊)はどうしたのだろう?



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