第四章 飛び出せ青春 第6話~第8話 ロケ地 (日大明誠高校 多摩川五本松 野川水道橋 赤坂氷川神社 相模湖) あらすじ
第6話 ラブラブ行進曲
恋する乙女の物語。寮の自室でアイロン中の河野のところへ梅さんが河野宛の匿名の一通の手紙を届ける。手紙はある女生徒からとなっており、「初恋をしている。どうすればいいか。学校の掲示板にお返事を」といった内容。河野は掲示板に檄文を張り出す。その内容は「初恋適齢期にあるものよ。恋を恐れてはいけない。イギリスの詩人___がいみじくも言っているではないか。恋をして恋を失うとも、一度も恋をしないより、はるかに価値がある、と。猛然と恋しよう。・・・・そうすれば悩みは喜びとなって、明日の青春の糧となる」その檄文を見て、手紙を出した、生徒の渋谷典子は、励まされる。一方、柴田・山本も、同様に励まされる。実は2人とも現在、渋谷に思いを寄せているのだ。そして、心ここに在らず、とサッカーの練習にもこず、他のサッカー部員もあきれてしまった。
(ここでオープニング)
柴田・山本はそれぞれ、渋谷に個別に電話をし、柴田は「もし会ってくれるなら赤い服を着て、グラウンドに来て欲しい山本は「もし会ってくれるなら青い服を着て、グラウンドに来て欲しい」・・・。しかし、実際にグラウンドに来た渋谷は黄色のセーターをきていた。しかも、渋谷は「自分の好きなのは河野先生」とサッカー部員たちの前で告白したから話がややこしくなってきた。
従前より河野にあこがれている森下(青木)は桜井(松原)・ 矢吹(相原)とともに渋谷に河野をあきらめるよう恫喝する。そして、渋谷は河野をあきらめたものと勝手に誤解する。
河野への思いのつのる渋谷は、なんと、寮の河野の部屋に居座ってしまう。(ちなみに212号室)河野はその場はギターで歌(____)をうたい、渋谷も黙って退出する。
翌朝、森下はふたたび、渋谷と会い、彼女が河野をあきあめるどころか益々好きになったことを知り、驚く。ここで 森下・桜井・ 矢吹は作戦を講じる。まず、矢吹が柴田・山本に「渋谷が河野をあきらめた」と騙し、2人で神社に行くよう指示、神社(鎮守)では桜井が待機しており、2人に渋谷は湖で待っていると誘導する。一方、森下は渋谷に「河野先生が13:00にボート屋の前で渋谷を待つというメッセージを私に託した。」とうそをつく。湖に行った柴田・山本は釣りで競争し、勝ったほうが渋谷をものにすると取り決めた。そして、雨の中、ずぶぬれになりながら、釣りを続ける。河野はそれを見て渋谷に「(柴田・山本に断りを入れるなど)はっきりと意思表示をしない女は大嫌いだ!」と告げ、渋谷はショックをうける。
そのため、渋谷は今度は自宅自室でひきこもってしまう。そして、かけつけた河野・元倉と筆談でしか会話をせず、河野も最後にきれてしまう。渋谷の母親は転校を検討していることを河野に告げる。河野はもはや策なしといった状況に追い込まれる。
さて、雨にぬれて頭がさめたのか、柴田・山本は元気を取り戻した。そして、たまたまあった河野に「渋谷にラブレターを出しまくる」ということを告げる。「それだ!」と河野先生。そして、学校中の男子生徒から渋谷の自宅にラブレターが届く。渋谷はこれによりやっと本来に戻る。渋谷は実はさびしかったのだ。誰からも相手にされないから・・・と思い込んでいたのだ。
最後に河野は女子生徒たちから「アイラブユー」と追いかけられ、神社(鎮守)の大木の上に逃げ込み、そこでギター片手に歌(___)をうたう。
木の上の先生の周りを生徒たちが囲み、皆で歌を歌う・・・。「くさい」といってしまえばそれまでだが、まさに青春である。 第6話はここで終了。
私の本格的な初恋(一方的であるが)は中学2年生のとき。同級生だった。結局、つきあいもできなかったが、あの1年半は憂鬱とちょっとだけの喜びの間を往復しているようであった。 最近になって彼女の夢を時々見る。最後にあってからもう26年。夢を見た朝はなんとなく心のカタルシスを覚える。私には妻がいるのになぜこんな気持ちになるのだろう。いま、どうしているのだろうか。皆さんもそんなことはありませんか?
※ロケ地情報
① 日大明誠・・・寮から校舎までの坂道はこのドラマでよく出てくる。掲示板の檄文をはずし、塚本(柳生)が寮から出てくる河野と出くわす場面がそうだ。
② 赤坂氷川神社・・・柴田山本が木の幹の上で渋谷に思いをはせるシーン。ラスト、河野が木の幹の上でギターを弾くシーン。第20章ご参照。
③グラウンド・・・リコーグラウンド(?)。第19章ご参照。
④相模湖 東 弁天橋・・・ボートのシーン。第20章参照。
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寮から校舎までの坂道 |
日大明誠高校周辺地図 |
⑤ サッカー部の部室・・・実際の場所は特定できていない。
⑥ 河原や柴田・山本がつりをする場所は相模湖の勝瀬橋あたりか。柴田ボート。第20章ご参照。
⑦ 五本松(多摩川の東京側)・・・ 矢吹が柴田・山本に対し、「渋谷が河野をあきらめた。神社で渋谷が待っている」とだまし、河野に「少年には夢と希望を」と述べたのは五本松あたりではないか。ここも、時々ロケに使用されている。
⑧相模湖駅東跨線橋・・・河野が柴田山本に「それだ!」と叫ぶシーン。第20章ご参照。
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多摩川五本松 |
多摩川五本松周辺地図 |
⑤ 渋谷の自宅・・・特定できていないが一応住所は東山市若草町116番地となっている・・・
⑥
⑦ 喫茶店・・・特定できていない。第3話で、元倉の妹や寮生たちが打ち上げをおこなった場所であり、このドラマでも時々出てくる
※マニアック情報
① 河野がクラスの女性たちに送った手紙
「アルファベットから次の文字をとってくれ。残った文字のvとeを入れ替えろ。その言葉を送る。
ABCDFGHIJKMNPQRSTUWXYZ」・・・答えはLOVE、しぶい!
第7話 このバカを許してください
本エピソードからレギュラーに木次(森川正太)が加わる。
今日から新学期。2年B組は3年D組となる。さてクラスに転校生の木次祐一(沖正夫=森川正太)がはいってきた。彼はかのエリート校県立東校から転向してきた。しかし、授業中、彼の母親が教室に入ってきて、木次を連れて行こうとする。どうやら木次は親に内緒で自分で印鑑を勝手に使い書類を作成して、太陽学園に転向してきたようだ。そしてその理由を彼は「県立東には青春はない」ためという。(ここでオープニング)
さて、校長室では杉田校長(有島)木次の母が険悪な雰囲気になる。実は太陽学園は木次の父の銀行から融資を受けている(あるいはこれからうける)。木次の母は太陽学園の生徒を「全国から集まったクズ」校長のことを「クソ校長」呼ばわりをし、校長もさすがに堪忍袋のおが切れ、「クソババア」とののしってしまう。激怒した木次の母は、もし、木次の身になにかあったら、融資を断る、と校長に一方的にいいつける。
さて、元倉理事長(佐藤)宅では理事長と江川教頭が密談をしていた。もし、木次にかかわる事件が起これば、木次の母は夫に言って、太陽学園への融資を引き上げる。そうすると、杉田校長は理事長に泣きつかずをえず、辞任せざるを得なくなる。そうすれば太陽学園の実権を理事長が取り戻せる。もし、木次の父の銀行家からの融資が不意になっても、ほかに口はある・・・・といった内容である。そしてこの会話を元倉明子は立ち聞きしていた。なお、この密談で木次の父は養子であることを理事長が言っている。(ちなみに江川も)だから母の力が強いのだ。
さて、木次だが河野に「インスタントラーメンを始めて食べた」と告白する。木次は母の呪縛から早く逃げたいという気持ちが強くなっていた。かたや、その母から乳離れできない自分にもどかしさを感じていた。
校長室で元倉明子(酒井)は校長に、理事長と江川の密談を踏まえ、木次を東校に再度転向させたほうがいいのではないか、でないと校長先生が追い出される、と進言するが校長は断る。
さて、朝、正門前の池のはたの道。ここで、桜井は木次の「桜井にあこがれて太陽学園に来た」という虚偽の告白を受ける。これは木次が咄嗟に思いついたことだった。木次は「男の記録」なる日記にこのあたりの経過を記する。木次はちょっとしたウソを真に受けておろおろ、どぎまぎする桜井の様子を見て、自分がマザコンから離れて「男」になりつつあると考える。そして、しばらく桜井をたぶらかそうと考える。
一方の桜井は木次にだまされていることなど毛頭しらず、その気になっていった。
木次の自宅の自室では彼の父、源次郎(竹内享)が「お前が太陽学園にはいりたいというのならそれでいいよな」と、木次を励ます。私が思うに、木次の父も“養子”という立場であり、妻、つまり木次の母になにごともあまり強くいえない引け目があったのだろう。さらに、いつまでも子離れの出来ない妻、そして、乳離れできない木次にもどかしさを感じていたのであろう。もし、そうであれば木次の父は「よい人」であろう。
さて、桜井は親友の矢吹(相原)に木次に告白されたことを打ち明けるが、これが、森下(青木)に伝わり、敏感な森下は、木次は桜井をだましているのではないかと確信する。そして、木次の自宅に出向き、木次に真意を確認しようとするがあいにく不在。しかし、代わって出てきた母親から「男の記録」の日記を見せられ、やはり、木次が桜井をだましていたことを知る。そして、その日記を母親の手からひったくり、喫茶店でそれを桜井に見せ、真相を明らかにする。桜井は当然のようにショックを受け、自宅へ逃げ帰る。
このような状況を知った、3年D組のメンバーは木次を追及しようとする。
ここで登場するのが下記ロケ地情報でも書いている「野川水道橋」である。これは本ドラマでの象徴的な橋。本エピソードを含め、数回登場する。関西在住の私が、何の情報もなく、この場所を特定するのに大変な労苦を要したが、見つかったとき、そして、実際に訪れ、目にしたときの感動は文字では表現できない。
この橋の付近で、木次宅に向かおうとする高木・片桐・森下・柴田・山本ほかメンバーを元倉明子が目撃し、「今、木次との間で問題を起こせば太陽学園は木次の父の銀行から融資を受けることができなくなり、杉田校長が追い出されてしまう」と事情を説明し、行くのをとどまるよう、諭す。ところがた、たまたま通りがかった河野は「男の記録」を見て、激怒し、元倉の制止を振り切って、木次のところへ出向く。そして、木次を見つけて殴りまくってしまい、結果、木次の父の銀行からの融資が不意になってしまう。
体育館前で河野は事情を知らず木次をなぐってしまったことを杉田校長に謝るが、逆に杉田から「バカモン!」と一括される。私に謝ることよりも、融資のことを心配するよりも、なぜあの木次のことを心配してあげないのだ・・・と。校長は木次のことも考えていたのだ。実に、すばらしい校長である。
木次が治療をうけている「東山市民病院」に河野が出向き、木次とその母に会う。河野は怖がる木次に「お前はそうやって一生おかあさんの後ろにかくれているつもりなのか。弱虫!」と一括、木次はこのことばに発奮し、河野を殴る。そして、2人は和解する。
しかし、傷ついた桜井の許しをもらうのはそんなに簡単なことではない。木次は「このバカを許してください」と書いたプラカードを持って、桜井宅の門前に座り込み始め、河野もそれに付き合う。聞きつけた木次の父母や3年D組の仲間が集まってくる。
木次は母に「あまりにしつこく連れ戻そうとしたら殴るよ」という。木次の父は、「もし、息子が妻を殴ったら融資を復活させる」と約束、木次はついに母親を殴った・・・。
父はおもわず「やった!」と叫ぶ。皆が帰った後、木次は残った河野に「ママがかわいそう」とぽつりと言う。それに対して河野は「それはお前が一人前になった証拠」と励ます。木次は河野を帰し、一人で座り込みを続ける。やがて、雨が降り出し、強くなっていった。桜井はその様子を家の中から見ていたが、ついに、ずぶぬれの木次に傘を差し出し、許す。物影でそれを見ていた河野と元倉。木次はずっとみてくれていた河野に感激し、太陽学園に来て本当によかったと打ち明ける。そして2人で雨の中を帰っていった。(木次はこのあとサッカー部に入部する。)第7話はここで終了。
印象にのこったのはやはり、
①「私に謝ることよりも、融資のことを心配するよりも、なぜあの木次のことを心配してあげないのだ・・・」という杉田のことば。
②木次の父。銀行のトップとなると、悪役が多いのだが、本エピソードでは、「実はいい人」をうまく演じている
③そして、やはり、太陽がくれた季節のBGMのをバックに雨の中、家路につく木次と河野。
※ロケ地情報
① 喫茶店・・・森下が桜井に真相を明かす場所。ここまで何回か登場しているが名前は「 DRIVE IN SWAN」らしい。
② 野川水道橋・・・後ほど詳述する。昭和34年竣工。架け替えのため、平成16(2006)年12月に撤去されました。
ここは、本エピソードのほか第9話「殴られ屋引き受けます」第_話「恋愛か友情かそれが問題だ」第_話「学園の子連れ狼」第_話「その喧嘩私が買います」第_話「私はダメな女?」に登場する。
2019年時点の野川水道橋は第19章ご参照
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野川水道橋(2004年4月撮影) |
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野川水道橋の場所 |
野川水道橋周辺図 |
以下の写真も
2004年4月撮影
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野川水道橋 |
野川水道橋 |
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野川水道橋 |
野川水道橋 |
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野川水道橋 |
野川水道橋 |
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野川水道橋 |
野川水道橋 |
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野川水道橋 |
野川水道橋 |
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野川水道橋 |
③ 日大明誠・・・正門前の池のはたの道。ここで、桜井は木次の「桜井にあこがれて太陽学園に来た」という虚偽の告白を受ける。
④ 木次自宅・・・特定できていない。住所表記は一応「東山市若葉町37番地」
もしかしたら第6話の渋谷の家と同じかもしれない・・・
⑤ 多摩川沿堤防?・・・河野が木次を追いかけるシーン。私は野川水道橋の付近だと思っている。
⑥ 東山市民病院・・・特定できていない。
⑦ 神社・・・赤坂氷川神社か。。
⑧グラウンド・・・リコーグラウンド(?)。第19章ご参照。
⑨相模湖 東 弁天橋・・・ボートで木次が桜井に虚偽の「告白」をするシーン。第20章参照。
※マニアック情報
① 3年D組の座席表(第7話)
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谷岡 |
小西 |
野口 |
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片桐 |
大島 |
(めがね) |
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山本 |
柴田 |
森下 |
(平野文?) |
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木次 |
落合 |
桜井 |
矢吹 |
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高木 |
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② 今週の委員
田中健次、大野賢一、村山○
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校舎への坂道 |
ロケ地を訪ねて_山梨県上野原町・日大明誠高校
冒頭で述べたとおり、本ドラマのメイン・ロケ地といえよう。私は以前、「太陽学園」の場所について、東京や神奈川の詳細地図を眺めながら「山も多いし、おそらく東京の郊外だろう。そうだ。八王子近辺ではないか」などと勝手に考えていた。そのうち30代半ばを越えた頃、どうしても、あの「太陽学園」のロケ地を実際に訪れてみたくなった。大河ドラマの視聴率と互角に健闘していたあの人気番組のロケ地を実際に自分が訪れることで、なんというか、自分も社会の一員なんだ!大げさかとは思うが)そんな気持ちをいだきたかったのかもしれない。しかし、誰に聞けばよいのかわからない。そんなとき(1999年)インターネットで検索したところ、ある、掲示板にめぐり合った。そこで、質問を投げかけたところ、親切な方がいらして、山梨県上野原町・日大明誠高校であると教えてくれたのだ。つくづくインターネットってすごいなあと思ったものだ。当時は色々なことがあって、挫折状態であり、精神的にも疲弊しており、よし行ってみよう!と決断した。そして、夜行バスに乗り込んで、一路上野原を目指したのであった。
冒頭の章と重複するが、
JR中央線上野原駅の改札を抜け、階段を上ったところにある通路を左側に進む。駅の外に出ると若干のスペースがあるが、すぐ眼前は小さながけとなっている。そのがけの左方の階段をのぼるとすぐに交通量の多い道に出る。左に進むと、中央自動車道の上野原インターチェンジ。さらに道を進むと15分ほどで国道20号線にぶつかる。ここを左に折れ、3本目の道を右折する。するとすぐに体育館が見える。
坂道をのぼっていくと、ものの1~2分で、かの、チョコレート色の円形校舎が見えてきた。「太陽学園」の象徴的な建物である。目を左にやると、これも、テレビでよく見た校舎が2棟建っている。それらにはさまれるようにして、これまたオープニングでお馴染みのグラウンドがある。西南隅の赤と茶色の三角屋根の木造校舎(?)だけは今は現存しない。正門左横の自転車置き場らしきスペースのトタン屋根はおそらく30年前と同じものであろう。いったん、正門を出て池の横の道を西に進みさらに北に折れる。ここからは敷地全体が見渡せる。北端にあるはずのプールは確認できなかったが「学生寮」がほぼそのままの形である。学生寮を横目に、校舎の敷地より一段低いところの池の周囲をまわる。この池は、寮母のウメさんが自殺した女の幽霊が出るというふうに吹聴した池である。
第8話 男の涙はだてじゃない
太陽学園に購買部ができた。担当は南(田坂)。元倉は不安をいだくが、江川教頭ほか核先生、そして、河野は賛成する。
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会議室 |
(ここでオープニング。なお、オープニングには全話通じて3パターンあるが、第8話からば2パターンめとなる。後ほど詳述するが1パターン目と3パターン目の折衷みたいなものである)
購買部は南が実質とりしきっているが、生徒の中からも運営委員を選び、「生徒の手による運営」という形式になっており、3-Dからは大島(小椋)が委員として参加している。
「ツケ払い」も可能である。
さて、理事長宅では元倉理事(佐藤)江川教頭(穂積)塚本(柳生)が打ち合わせ中。学園の経理状況が厳しいという話である。塚本の発案で購買部で新しい制服や教科書を一括販売することで利益を確保することとなる。
ラーメン屋では購買部のメンバーが話し合いをしているが、彼らが儲けることを主眼にしていることに主人(名古屋)は激怒する。教室では田坂によるツケの回収が進む(柴田380円、山本400円)。また、さらに女性と向け化粧品も扱い始め、これに怒った河野はなんと全の化粧品を自費で購入する。本来なら購買部の運営は厳しくなるところだが教頭たちのバックアップもあり、今度は塚本(柳生)担当の歴史の虎の巻を扱うことになる。さらに河野の担当の英語についても虎の巻を扱い始め、これを知って激怒した河野は全員に返却させ、さらに、返品不可能なそれらの虎の巻をこれまた給料をつぎ込み、自費で購入し、焼却炉で焼いてしまう。ここにきて河野はようやく、購買部の本質に気づきだす。
さらに、購買部の南はチンピラ(南の同級生)を使って、柴田・山本から利子を含めて未回収金を回収しようとする。(柴田は380円が426円、山本は400円が512円)これを知り、河野は購買部のシャッターを強制的に閉めたあとで杉田校長(有島)に抗議に出向く。一方こういう状況ではあるが、片桐はじめ生徒たちは「購買部の連中はよくやっている。これ以上介入するとわれわれ生徒たちを敵に回すことになる」と警告するが河野は意に介さない。
そして、事態はいよいよ最終局面にはいる。洋服屋で背広を仕立て中のラーメン屋の主人(名古屋)は店主と店員の会話から、「太陽学園への新しい制服の売り込みにつき、購買部の連中にリベートを渡したところ彼らはそれを受け取り、すし屋に行った」ことを知る。驚いたラーメン屋の親父は河野に報告。河野は直ちにすし屋に向かい、購買部メンバーがリベートで寿司を食べ、しかも、ビジネスの場では正当という主張を聞き、ついに堪忍袋の緒が切れ、男子生徒たちを殴りつけてしまった・・・。
河野は責任をとり、校長に辞表を提出する。高木たち生徒は、河野が暴力事件を起こした理由がわからなかったが、高木が購買部員に質し、彼らからリベート受け取りが理由であると告白された。購買部員は皆、自分たちが悪いと、校長に事情を説明し、河野の辞表撤回を要求するが校長は「暴力は不可」と聞き入れない・・・
河野は、寮の自室で身辺整理をし、「人生いたるところ青山あり」と、寮を退出する。
一方、杉田校長(有島)は元倉理事長(佐藤)を訪ね、制服新調の撤回を願い出て、理事長も了承する。また、杉田校長は河野はやめたが、彼はいい男である。よって、河野の後任に河野武を任命したいという奇策を申し出る。一瞬理事長は驚くが、「教師の任免は校長の専決事項」とこれを認める。そしてそれを知った3-Dの生徒たちは、河野に知らせに向かい、寮の玄関をでたばかりの河野にそれを報告する。河野は驚き、そして、喜びながらも裏山に向かって泣きながらはしっていく。第8話はこのような内容だった。私が感動したのは、まずは、校長の配慮で復帰が決まったことを3-Dの生徒が、河野に知らせに向かい、寮の玄関をでたばかりの河野にそれを報告し河野が驚き、皆で喜ぶシーン。BGMの曲(この曲は私のお気に入り。ドラマでは「第4話やるぞ見ていろカンニング」の終盤で生徒が河野にかけよるシーンや「第_話くたばれコンプレックス」で某生徒の決めたゴールのシーンで流れている。しかし、ワンツーアタックというバレーのドラマ、これは、生田訳役の大田黒組が主人公のスポ根物語だが、そこでもながれていた。東宝の青春ドラマは昭和41年くらいからはじまっているが、飛び出せ青春のBGMもそれらのBGMをいくつか流用している。どくに「これが青春だ」では頻繁に流れる)
もうひとつの感動は、杉田校長が「河野の後任に河野武を任命したいという奇策を申し出」それを、理事長が「教師の任免は校長の専決事項」認めるシーンである。元倉理事長はどちらかというと悪役のという位置づけなのだが、完全トップダウンではなく、校長なら校長の立場・権限をきちんと理解しているのが大人だなあと思う。
杉田校長と元倉理事長の関係は微妙なものがある。対立という構図が基本ではあるが、気に入らないからといって、いざ切ろうとすれば切れるのに、理事長は簡単に校長を切らない。校長は実は、理事長のそういういいところをしっており、かたや、理事長も校長の考え方に共鳴している部分があったのではないか。
中小企業のトップに多い(私の経験)のだが「気に入らない。はむかう・・・」という理由だけで簡単に左遷・降格・解雇する経営者何人か知っている。そしておうおうにして、気に入らない・・・というのは、その相手が優秀であり、その進言を聞くことは自分の能力が低いのだ・・・と勘違いをすることが多い。そういうものがトップの企業は長くは続かない。そして、はむかうものはいくらでも他に仕事をさがせるであろう。
苦言・進言をきちんと聞くということでいい経営者となるのではないか。理事長の言動を聞き、そんなふうに思った。
※ロケ地情報
①日大明誠・・・虎の巻を焼く焼却炉はグラウンドの南端。また、辞職して学園を去ろうとする河野のもとに再雇用を伝える高木たち3-Dの生徒がかけよってくる感動のシーンは学生寮と校地の間の坂道。
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寮から校舎までの坂道 |
周辺地図 |
②グラウンド・・・リコーグラウンド(?)。第19章ご参照。
※マニアック情報
① 今週の委員
三木修二、木村○
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