第五章 飛び出せ青春 第9話~第10話 ロケ地 (日大明誠高校  野川水道橋 愛宕神社 二の橋通り ) あらすじ



第9話  殴られ屋引き受けます。



l 生徒会体育部の会議が開催された。今年度の予算を決めるためであり、各部から代表者が参加している。この会議にはサッカー部から代表として柴田・山本が参加するが、他部の委員から「できたばかり。人数が少ない」などの罵声を浴び、要求額100万円というのにも皆、唖然とし、結果決定額は5000円となってしまう。
(ここでオープニング)
これではボールなどの購入もおぼつかない。高木の発案でサッカー部員は各自、アルバイトをはじめる。片桐(剛)は犬の家庭教師。そして、柴田・山本は購買部の手伝いだ。
そして、高木は「殴られ屋」なるバイトを教室ではじめる。うっぷんをはらすため1回100円で殴らせるのである。高木らしいバイトである。早速、矢吹が高木を殴った。生田緑(大田黒)はそれがあまりおもしろくない。また、河野は江川や塚本から校内でのバイトは禁止という規則を持ち出され、高木のバイトを中止させるよう、命令を受ける。河野はそれを受け、高木に中止を指示する。
高木が10数名の女生徒たちに顔を殴らせていた坂(円形校舎と校舎の間。今は屋根がついているようだ)

 さて、橋(野川水道橋)のたもとで高木は購買部の南からバイトの相談を持ちかけられる。
 そして高木南とともに喫茶店にいき、そこで南の同級生で県立東高校のゆきしげおという男子生徒に引き合わされる。ゆきは男なのだがいわゆるオカマのようなものの言い方をする、なよなよとした人物。聞けば、そのなよなよとしたところを直すためにボクシングを始めた。そして、「彼女」の前で試合に勝ち、自信をつけたいので、試合の対戦相手になり、わざと負けて欲しいというものであった。八百長ではないかと、高木はいったんは拒否するが、ゆきに父がいないことを知り、「母を守っていかなくてはならない」という彼の言葉に高木自身の境遇を重ね、試合の対戦相手になることを引き受けることになった。
 高木の意(試合のことをあけっぴろげにしない)に反し3-Dではこの試合の話でもちきりとなる。購買部の南が勝敗でトトカルチョを高木に内緒で計画していたのだ。ほとんどのものは当然、高木の券を買うが片桐だけは、相手(ゆき)の券を買う。
 そしていよいよ試合当日。唐崎ボクシングジムで試合は行われた。ゴングがなった、しかしm相変わらずゆきは「痛~い」「痛いんだもん」「こわいんだもん」「ごめんなさい」などと、女性のようなものの言い方の連発である。ボクシングにならない。やがて八百長に気づいた高木は、急遽がちんこで試合を行うことにした。その直後ゆきは「彼女が来た」と高木にささやく。高木がその彼女を確認するとなんと生田みどりではないか。一瞬高木は驚き、隙ができる。そこにゆきが「えい!」」とばかり高木に強烈なパンチを浴びせ、高木はマットに沈んだ。ゆきが買ってしまったのだ。
 試合が終わり、ジムの外では3-Dの生徒たちが「八百長だ」と南や高木を攻める。しかし、高木は「あれはやおちょうじゃあねえ」と主張する。またグラウンドでも河野が高木を追及、「誰が見ても八百長だ!」と高木を殴り倒し、その上で当面サッカー部の練習には来なくていいと言い渡す。
 
野川水道橋
野川水道橋。高木はここで購買部の南からバイトの相談を持ちかけられる

 さて再び橋(野川水道橋)のたもと。「いつからゆきの彼女になった!?」と追求する高木に対し、生田は「ゆきなんて知らない」と答え、それを証明するために高木をゆきの家に連れて行き、直談判しようとする。ゆきの自宅についた高木はゆきを外に呼び出す。そして、「お前は本当に俺を倒したんだ。あのとき、一瞬の隙があった。俺も生田にお焦がれているから。だから、あれは八百長ではなく、お前の実力だ」という。しかし、ゆきは、それをも高木の温情と理解し、「君はいい人だ」などという。いらつく高木は林の中にゆきを連れて行き、ケンカをはじめる。防戦一方のゆき。2人をとめるため生田は河野を呼んできた。そして、「余計なことをするな」と生田を突き飛ばした高木に対し、ゆきは「彼女になにをする。僕が承知しない!」と高木に強烈なパンチをあて、高木は倒れる・「そうだそれがお前の実力なんだ」。ようやく、ゆきは自分の実力を知り、それを引き出してくれた高木に「君って人は・・・」と感激し、二人は抱き合う。それを見ていた河野は高木が八百長ではなかったことを知り、高木の弁明もきかず、一方的に高木を殴った自分を恥じる。
ラストシーンはトトカルチョをしたことに対する罰。うさぎ跳びで裏山まで行く。
 賭けに参加した片桐・森下以下、3-Dのメンメン、トトカルチョを画策した購買部の南、そして、一時は八百長をしようとした高木、そして高木を一時的に疑った項の自身・・・全員でうさぎ跳びで裏山への急坂をのぼっていく。 第9話はここで終了。いうまでもなく、もっとも感動したのは,ゆきが高木を殴り倒し、それを見ていた河野が自分自身を恥じるシーンである。
※ロケ地情報

①日大明誠・・・高木が10数名の女生徒たちに顔を殴らせているのは円形校舎と体育館を結ぶ坂。
②笹崎ジム・・・第19章ご参照

※マニアック情報

①生徒会体育部の会議の役員は議長・野口、副議長・橋田と落合。橋田はこの会議ではサッカー部を小ばかにしている。あとでサッカー部に入部するのだが・・・。またこの会議での予算決定は以下のとおり。バレー35万円、ソフトボール28万円、テニス15万円、ワンゲル10万円、サイクリング13万円、水泳10万円、陸上8万円、そしてサッカー部は5000円。
なお、この会議の開催されている部屋は3-Dと同一の部屋と思われる。その根拠は教室後方のロッカーの落書きである(「N,F,S」の文字が見える)
②歌謡曲
第9話でうたわれる歌謡曲。
  尾崎紀世彦「______」・・・購買部の南が聞いている
③今週の委員
神山敬一、村松良○、大島和也
④元倉明子の髪型が本エピソードではショートカットになっている。


第10話 男なら特訓特訓また特訓。



本エピソードより畑野文子(降旗文子)が登場する。またオープニングが3パターン目となる。1・2パターンでは冒頭、少し、本編を流してからオープニングであったが、第10話よりいきなりオープニングとなる。
 教室内では「新しい女研究会」というサークルに女子生徒有志が何名か参加、平塚雷鳥の著作の元倉明子(酒井)による朗読を聞いている。(『原始女性は太陽であった・・・』)
 畑野文子(降旗)もそれに参加しており、感銘を受ける。
 一方、サッカー部は南海高校との試合をしていた。女生徒たちも応援に行っているが、そこに畑野文子の父で酒屋を営む父親(下川辰平)も応援に駆けつける。彼はサッカー部の大ファンである。やや軍人っぽい。下川辰平といえば「太陽にほえろ」の長さん役でずいぶん長く活躍されておられたが、先般、残念ながらお亡くなりになった。さて、試合の結果だが、0-10で大敗を喫する。河野はそのあまりにものふがいなさに特訓をすることを宣言する。
 しかし、畑野文子はこれに対し「精神主義、軍国主義」と河野に特訓の中止を求めるが、河野は拒否する。不機嫌な畑野は帰宅するが、父で畑野酒店の店主(下川)は特訓と聞いて河野を賞賛する。
 さていよいよ特訓開始。神社の石段の150段目まで全員、うさぎ跳びができるようになるまで、ボールはさわれないということになり、皆しぶしぶうさぎ跳びをはじめる。足をかばいながら、柴田・山本は家へ帰る。柴田・山本も両方とも家は饅頭屋。柴田の家は本家鶴亀堂、道をはさんで向かいの山本の家は元祖鶴亀堂。柴田の母は___(三崎千恵子)、山本の母は___(塩沢とき)。2人はいとこ同士なのだが、商売上のライバルである。三崎さんはいうまでもなく寅さんシリーズで有名であるし、塩沢さんもレインボーマンに悪役ではあるが出場していた。この10年間でもテレビのバラエティー番組に出ておられる。下川、三崎、塩沢・・・まことに豪華な顔ぶれである。
 ところで、柴田の母は柴田に「今度川向こうの団地に支店を出そうと思うのだが、その場所の権利書を畑野文子の父(下川)が持っている。ラブレターを出すなど、なんとか文子にいいよって、畑野の父を懐柔してほしい」と指示する。ライバルの山本の母もまったく同じことを山本に指示する。
 柴田も山本も、性格的にややきつい畑野にいいよるなど、まったく乗り気ではないが母のいうことだからとしかたがなくラブレターを作成する。そしてそれぞれ海岸で畑野にラブレターを渡す。しかし、畑野はそれらを添削し2人に返す。
 石段のうさぎ跳びは相変わらず続いている。しかし、音をあげた柴田・山本はそれぞれの母に「特訓がきつすぎるので畑野にうまくアプローチできない」とウソをつき、柴田の母も山本の母も、商売の邪魔をして・・・と、」河野への怒りをつのらす。
 そして、サッカー部員はついに堪忍袋の緒が切れ、特に高木(石橋)は「意味のないこと。科学的・合理的ではない。かび臭い精神主義だ。俺たちはノミやバッタではない」そして「まず、あんた(河野)がウサギとびで頂上までのぼることができたなら、俺たちもついていく」と言い残し、特訓をボイコットしてしまう。
 また、柴田は鍋に体温計を入れ40度の熱があると母に申告、山本も仏壇のろうそくに体温計をかざし、42度の熱があると母に申告、特訓をさぼる。柴田の母と山本の母はここに至り、相談の上、他の部員の父兄にも連絡し、皆で、学校に怒鳴り込みことにした。
 そして学園の特別会議室では柴田・山本の母を筆頭に父兄たちが河野を糾弾する。しかし、河野はまったく意に介せずという態度をとったため、これに激怒した父兄たちは緊急臨時PTAの召集を決める。
 さて、河野がグラウンドに出るが誰も練習にきていない。皆、特訓をさぼっているのだ。
 さらに、サッカー部員全員の休部届けを畑野が河野に渡す。そして、「(うさぎ跳びで石段のてっぺんにのぼるなど)はじめから無理なことをやらせている」と非難する。
 河野は昼夜を問わず、石段でのうさぎ跳びを行い、「無理ではない」ことを実証しようとする。それを物陰から高木(石橋)がそっと見ていた・・・
 畑野の家では、父(下川)と文子が言い合いをしている(文子の母はすでに亡くなっている)父は河野を擁護し、文子はそれが気に食わない。
 河野はついに倒れてしまい、片桐の介添えで寮の自室に寝かされるがそれでも、「男が一度決めたことはやりとげる」とうわごとのように言う。
 そして、知らぬ間に起き上がって、どこかへいってしまう。自室にいないこと驚いた元倉は河野を探すが、畑野の話で石段にいるはずといわれそこにいくと果たして河野は熱をおしてうさぎ跳びをしている。それを見ていた高木もついに河野に追従する。畑野文子と父も駆けつける。元倉はぽつりと「やっぱり男の人って違う」という。そして、河野はついに石段の頂上を制したのであった。  さて、臨時PTA。柴田・山本の母のほか畑野の父も参加している。そこで畑野の父は柴田・山本の母に「支店を出したいのであれば、(河野やサッカー部ファンの)俺のかんにさわるようなことをするな」と圧力をかける。さらにそこに文子がはいってきて、サッカー部の皆が練習を再開したことを告げに来る。
 
特別会議室
特別会議室

 これでPTA会合は終了する。そして畑野は河野にサッカー部のマネージャーになることを申し出る。
※ロケ地情報


⓪愛宕神社
愛宕神社の位置
愛宕神社の位置

① 畑野酒店・・・特定できていない。
② 元祖鶴亀堂・本家鶴亀堂・・・二の橋通り。「とよ川」の看板あり。第19章ご参照
③ 特別会議室・・・スタジオのセットではないだろうか
④ グラウンド・・・場所不明
⑤海岸・港・・・場所不明
⑥野川水道橋



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