第6章 飛び出せ青春 第11話~第16話 ロケ地 (国士館大学 鶴川 上野原駅 野川水道橋 ) あらすじ




第11話 あの裏山を守れ



  学校の裏山にモミの木が1本だけ生えている。そこで生物部植物分布研究班の中尾(武岡)と女子部員(私は平野文と思う)がやってきて、こんなところに1本だけ生えるはずは無いと疑問を感じ、掘り出そうとする。そこに、サッカー部員のうち、柴田・山本・谷岡ともうひとり男子部員(小林進・・・ヒップアップの人?)の4名―――実は“旧サッカー部員”なのだが――――が血相を変えてやってくる。そして、中尾たちに「おととしの暮れ(昭和45年12月)ラーメン屋の店先を飾ったクリスマスツリー」であることを告げる。しかし、なぜ植えたかは教えず、中尾たちを追い払い、肥料施しの儀式を行う。  さて、柴田・山本たち4
名は後日、裏山へ行くが、なんといつもの場所に「ボウリング場建設予定地・元倉産業KK事業部の看板が掲げられていた。びっくりした4名は河野に報告、河野も驚き、杉田校長に説明を求める。杉田は「裏山は校有地ではなく、元倉理事長の資産。いままで運動部がトレーニングしていたのは、理事長の単なる好意で黙認していたのみ」と答え、校有地であると誤解していた河野は二の次がでない。
裏山の位置
裏山の位置

 さて、理事長宅。ばあや(千石)はボーリング場建設への反対を理事長に伝える。「若い人を食い物にしてよろしいのか。あの場所は方向が悪い。暗剣殺。10年前(昭和36年)理事長が奥様をなくされ、現在、跡継ぎがいない。」
 3-Dの教室では柴田・山本たち旧サッカー部員がボーリング場建設反対のアジ演説をしている。いわく、ボーリング場は風紀を乱すETC・・・。しかし、4名の意はクラスメートには伝わらず、片桐をはじめ、中尾たち進学組も教室を出て行ってしまう。4名は仕方がなく、署名運動をすることにする。そして、高木(石橋)のみは、彼らの様子を見守っていた・・・。河野はなぜ4名がそこまでモミの木にこだわるのかわからなかったが、高木(石橋)の説明で状況を理解した。2年前(昭和45年)、ここ裏山は人数が少なく部として認められていなかったサッカー同好会の練習場所であった。草抜き、石拾いばかりで練習などろくにできなかった。1年後(昭和46年)正規の部に昇格したとき記念にジャージなどを埋め、そこに、モミの木をラーメン屋からもらい植えた・・・というものだった。
河野はこれを聞き、4名の気持ちを理解し、理事長に建設中止の申し入れの直談判に行くが、当然拒否され、河野は理事長宅を後にする。その後、元倉明子に自分の養女になるよう、求める(跡継ぎのため)
 さて、今回の件はサッカー部員間にも対立をもたらしめる。片桐たちは「いまは河野先生のもと、ひとつのサッカー部としてまとまっている。いまさら旧も新もない」。結局、河野、4名の旧サッカー部員、高木、森下のみが反対運動を続けることになる。そして立て札やビラ、署名活動などを行うが、ほとんど効果はない。だが、「モミの木魂」というアジビラを呼んだ校長はそれを読み「おもしろい」という。校長は理事長と生徒の間にはさまれ、苦悶するが、実は反対派なのだ。
 理事長は「先手を打つ」とばかり、部下に命じて、整地のため裏山へブルドーザーを出動させ、既成事実を作ろうとする。それを知った河野たちは急ぎ、裏山へ向かうが、現場への一本道にはなんと杉田校長がブルドーザ阻止のため、先に道の上に座っていた!杉田校長はガンジーの言葉を引用し「非暴力、不服従」という。河野、旧サッカー部員、高木も校長を挟んで座り込みをはじめ、ブルドーザはとまらざるを得ない。こうなればどちらかが根負けするまで、双方、がんばらなくてはならない。一方、当初賛成派だった片桐も、梅さんが炊き出しをしているのや森下の必死の署名活動、河野や校長の座り込みを目撃し、心が動く。
 やがて雨が降り出す。河野たちは服を出し合い、杉田がぬれないように、ターフを作る。校長も感激するがブルドーザの運転手も感激する。
 やがて、クラスメートが皆駆けつけてきた。反対派に回った片桐の力で町の半分以上の人数の反対署名をあつめたのだ。
 理事長宅では元倉明子が理事長に「建設はやめてほしい。そのかわり養女になる」とつげる。理事長も「そこまで河野のことを・・・」と驚く。
 そこへ、反対署名簿をもった河野が来宅し、「この反対署名を握りつぶせばあなたの政界進出に悪影響がでる」と理事長に詰め寄る。理事長は建設中止を決断せざるをえない。そして、ラストシーンは皆で裏山へいき、「ボウリング場建設予定地・元倉産業KK事業部」の看板を倒すところで終了する。
 印象に残ったのは
① 校長が率先して座り込みを行い、雨が降り出すと、河野たちが校長をぬれさせまいと自分たちの服で、雨よけをつくったこと
② 理事長が、河野の持参した反対署名を手にして、「おもしろい男だ」といったところ。理事長も内心では河野のファンでなかったのだろうか


※ロケ地情報

①「裏山」・・・日大明誠の東側の山。
②「理事長宅」・・・特定できていない。
③ブルドーザーが登っていく道・・・場所不明 ④ブルドーザーの作業員が本倉理事長に電話するタバコ屋前・・・場所不明

※マニアック情報

① 歌
ウメさんが歌う歌は「律子さん。律子さん。中山律子さん」のあのメロディー
② 今週の委員
阿部真理子・内藤○○・深尾博史
③ 理事長の名
元倉たいぞう?そうのすけ(表札)?



第12話 ガラクタ楽団全員集合!



太陽学園の音楽室。音楽教諭はカマキリというあだ名の飯島(犬塚弘。あの___のメンバー。最近もドラマでご活躍)。3-Dのメンバーのち柴田・山本・ 森下・桜井・ 矢吹はエスケープ。木次が代返している。
音楽室

その 木次も代返が終わるとそそくさとエスケープしてどこかに行こうとする。しかし、河野に見つかり、どこにいこうとしたのかを追及される。実は木次たちは授業をさぼって、コンサートに行こうとしたのだ。出演は「青い三角定規」河野はその会場(フォーク喫茶・・・今でもあるのだろうか?)内に出向き、柴田・山本・ 森下・桜井・ 矢吹を会場の外へ連れ出す。そのとき間違えてある女性も連れ出してしまう。彼女の名は桐山悦子。25歳。東都音楽大学音楽学科在学中(4年生)である。実は彼女は教員をめざしており、太陽学園で実習をすることになっているのだ。
 そして、実際に実習授業がはじまった。しかし、3-Dの連中は次々とエスケープ、最後は木次だけが残った。しかし、木次は音楽が好きだというのではなく、単に桐山とガールフレンドになりたいだけであり、やがて彼も教室を出て行った。そこに河野と飯島がはいってきて、「気にするな」と慰めるが彼女はきっぱりと「私の力でなんとかやってみる」と宣言する。そして、3-Dの連中に音楽の楽しさをしってもらおうと色々な策を講じる。まずは、自分の好きな歌を歌わせる。高木は「夜明けの停車場」(歌手としての自分自身のヒット曲)を森下は曲名は不明だが「風が小さな息をして、・・・」という歌。
このことで生徒たちは「いままでとは違う」と音楽に興味を持つようになる。
そして、さらに得意のドラムを披露し、生徒たちの心をつかんだ。
 しかし、教頭や塚本は桐山のやり方に対し「はやり歌は不可」と告げる。そして、職員会議でも流行歌を音楽の授業で歌わせることの是非を議論する。その結果、流行歌は授業では不可との結論が出たので、桐山も次の策を講じる。
 それは、まず、シューベルトの菩提樹の歌を皆に歌わせ、それを録音し、テープをつなぎ「永久に」それを再生、すなわち、室外の人間からすれば、「ちゃんと歌を歌っているなあ」と認識する・・・そんなトリックである。桐山はこの装置をセットし、生徒たちを川原へつれていき、大学の友人の「青い三角定規」のメンバーを紹介した上で、「太陽がくれた季節」を歌いながら、歌の練習をする。
 この大胆なエスケープに対し、江川は桐山に「学校内ではやり歌はダメといったはず」と詰問するが、桐山は「はい、ですから学校の外へ出て、歌の練習をした」とやりすごす。
 さて、桐山はさらなるアイデアを実行に移す。それはギターの練習である。3-Dのメンバーはこれでギターに興味をいだく。この様子を見て、河野は飯島に流行歌を容認するよう説得する。居酒屋で一人、酒を飲んでいる飯島の横に河野がすわり、説得をする。その際、飯島は自分の身の上を河野に明かす。飯島は食う道がなかったから教師になったのだが元々はオーケストラの指揮者を目指していた。しかし貧乏だったために留学ができず、また才能がないと判断した。そして、自分の手で将来音楽家になる人物を育てることに方針転換をした。しかし、学校では音楽なんてどうでもいい科目・・・。そして河野に「君はやりたいと思ったことがあればやりとおせ」と進言する。そこに柴田と山本が突然入ってきた。聞けば流しをしているという。飯島のリクエストは「人生劇場」だが柴田・山本にはできっこない。そこで、河野がギターを弾き飯島はその演奏にのって「人生劇場」をうたい、しまいには「俺はだめだ」とないてしまう。
 柴田・山本はその後、別の居酒屋に流しをしにいくが、それを塚本に目撃されてしまう。
 報告を受けた江川は桐山に対し「流しをした柴田・山本そして河野もなんらかの処分を受ける。ただし、決められた授業をするなら、目をつむる。もし、再び同様の授業をおこなったなら生徒全員を処分する」と告げる。元倉がそれをたまたま聞いていた。  桐山はそれを聞き、生徒に迷惑をかけられないので、教科書に基づく、通常の授業をおこなおうとするが、3-Dのメンバーから強い反発を受ける。教生が免状をもらいたいがために生徒を利用した・・・などという発言も飛び出し、生徒全員教室を出て、かわらに行って自分たちでギターの練習をしようとする。
 どうしていいかわからなくなる 桐山。そこに河野があらわれ、桐山はついに泣いてしまう。そこに元倉もあらわれ、江川の策略を河野に明かす。
 桐山は意を決して、かわらへ行き、皆に、人生劇場の弾き方を教える。
 やがて、彼らは全員で人生劇場をギターで演奏しながら、職員室にはいってくる。(圧巻である)これを見て、飯島は感激し、「これが音楽だ。正規の授業だ。これからもがんばるぞ」と宣言、生徒たちも「フレフレ、カマキリ!」と応援する。
 ラストシーンは再び音楽室。
 「青い三角定規」も参加、飯島もギターを片手に、そして、桐山はドラムをたたき、」「青春の__」を全員で大合唱する。第12話はここで終了。
 最後の「青春の__」を全員で大合唱するシーン。さすが、ギタリストの飯島先生、いや、犬塚弘さんである。こんな音楽の授業なら、私も受けてみたかった・・・

※ロケ地情報

①日大明誠
②フォーク喫茶・・・特定できていない。
③川原・・・おそらく多摩川の河原。堰が見えるがこれは昔の第2話と同じ 二ケ領宿河原堰ではないだろうか。となるとこの川原は昭和49年の洪水でなくなってしまったのかもしれない。 新しくつくりかえられたのかもしれない。ウルトラマンのハヤタも____のエピソードのときにここで変身したはずだ。

二ケ領宿河原堰(旧?)の位置
川原と思われる二ケ領宿河原堰(旧?)の位置



※マニアック情報

①桐山悦子が河野に見せた身分証明証によると「25歳。昭和25年9月8日生まれ。東都音楽大学の住所は東山市若葉町14○番地、自分の住所は東山市若葉町2-47。 発行日昭和47年4月1日。
② 歌謡曲
第12話でうたわれる(言及される)歌謡曲。
  石橋正次の「夜明けの停車場」。
「はちのむさしは死んだのさ」
「人生劇場」


第13話 さらば高校5年生



生田みどり(大田黒)が父の九州への転勤のため、転向せざるを得なくなる。しかし、内心、生田に思いをよせる高木(石橋)は見栄を張って、「仕方がない」と表面上、淡々としたもの。生田はそれがもどかしい。実は生田も高木に思いをよせており、本当なら「いかないでくれ」といって欲しいのだ。また、生田はもし高木がそのつもりなら、転校はしないとまで考えている。しかし、お互いが本心をあきらかにしないため、2人の関係がだんだんとぎすぎすしたものになっていく・・・・・
 そんなとき、高木の母が倒れて、病院にはこばれた。高木は狼狽する。幸い、高木の母は過労ということであったが、高木は強く責任を感じ、河野に「母が外人バーで仕事をしているのを俺がいやがっているのを知り、借金してまで店をかまえた。それなのに俺は高校5年生なんて脳天気なことを言っている。」といって退学届けを提出する。
 さて、河野は高木の母が入院している「東山病院」へ見舞いにでかける。そして、母と面会するが、生田も手伝いに来ていた。母は河野に「将来、(高木)勇作と生田みどりを結婚させようと考えている」と告げる。そして、さらに河野は高木の母に「あのがんこもの(高木)の本当の気持ちを(生田みどりに対して)告白させてください」と懇願されてしまう。
 一方生田は両親の指示でしばらく、高木の母の世話や店の手伝いをすることになる。
 そしてその居酒屋で、生田は高木に豆腐の切り方やメニュー設定を指導する。高木にはそれがおもしろくない。しまいには、生田を怒らせて帰らせてしまう。また、その直後3-Dのメンバーが店に手伝いに来るが、それも断ってしまう。
 皆、なんとか高木に「好きだ」とひとこと生田に告白させようと策を練る。
第一の作戦は「ロミオとジュリエット」。片桐の姉の経験からの作戦である。第2話の庭園の場面を高木と生田に練習させ、皆は教室を退出する。2人はいいムードになるが、高木が練習を窓から覗き見している3-Dのメンバーをみつけ、追及し、この作戦は失敗に終わる。
 生田は転校を決断し、河野に手続きの開始を要請する。
 しかし、サッカー部員はあきらめない。第二の作戦を始める。詳細は割愛するが、要は県立東との試合に勝てば、高木は生田に告白するというものである。しかし、結果は1-15で大敗を喫する・・・・
 この一連の様子を見ていた元倉は生田と高木、河野を裏山に呼び出す。そして、高木に手を合掌させるような感じ(図参照)で、もし、高木が生田のことを好きならば指は自然にくっつくという。高木はそんなはずはないというが、指はぴったりとくっついてしまう。そして、ついに高木は生田に「好きだ。九州にいかないでくれ!」と絶叫する。
 (のちほど、元倉は誰でも自然にくっつく、と河野に説明する)
 さて、3-Dの教室では生田と高木の「結婚式」が開催される。牧師は学生服を前後裏返しに着た木次。生田はウエディングドレスをかぶせられ、コサージュももつ。大いに照れる高木だが皆に感謝して涙を流す。
 高木は結局しばらく休学となる。
 感動的なのは最後の生田と高木の「結婚式」のシーン。BGMともあいまって、実にすばらしい。生田みどりもものすご表情がよく、そして、きれいだ。

※ロケ地情報

① 東山病院・・・特定できていない。
② 日大明誠・・・「ロミオとジュリエット」を高木と生田に練習させ、それをこっそり外から3-Dのメンバーが覗き見しているのは体育館南側と思われる。
③   みずほ銀行祖師谷支店すぐ西・・・さるネット情報(X)では
3-Dのメンバーが高木の店を手伝いに来るが、高木に断られ、帰宅するシーン(メンバーは板前、コック、店員の衣装)
「やきとり おでん おみや」の看板がうつっているが、ここが、高木の店の設定みたいだ。
この店は第22話「飛び込もう、青春の海へ」の冒頭でも、高木の店として、出てくるようだ(看板が同一)

④また、③のシーンの前に、河野が夜の街を歩くシーンがあるが、バックに「フレール」「信濃屋」というお店が見える。
上記ネット情報(X)では、昔の住宅地図も調べておられた。
そして、その昔の住宅地図ではみずほ銀行祖師谷支店(昔は富士銀行か)のすぐ北に、「フレール」「信濃屋」というお店が記載されていた。

祖師谷大蔵駅周辺

※マニアック情報

① 今週の委員
平田 明、阿藤○、青山武史


第14話 月光仮面は正義の味方

3-Dの教室内で「月光仮面」なる小さなガリ版すり(懐かしい!)のペーパーが各自の机の中に入っていた。誰が発行したのかはわからないが、要は「悪事を糾弾していく」というものである。そして、片桐たちが、その槍玉にあげられる。
 そのうち森下のサイフを拾い、渡すのを忘れていた3-Dの女子生徒、野口さなえ(第_話で体育委員会の議長)に対し、「月光仮面」は書面で「拾得物は速やかにかえすよう」と、まるで野口が盗もうとしたかのような表現をする。野口はそれによりショックを受け、河野も「月光仮面」に対して、怒りをあらわにする。
 片桐・木次・柴田・山本は、わざと悪いことをして、月光仮面の正体をあばこうとする。そして、女子バレー部更衣室を覗いたり、生徒用下駄箱の靴をランダムに入れ替えたり・教師用の下駄箱の靴をひもで固定するなど、悪事をはたらく。
 そしてついに月光仮面は正体を現した。なんとあの秀才中尾洋一(武岡)だったのだ!しかし、中尾は「正しいことをしている!」と主張する。
 教室ではそんな中尾への風当たりが強い。消しゴムを貸してくれなかったり、昼食時、パンを替わりに買いにいってほしいといっても無視されたり・・・意地悪じじい呼ばわりをされる。河野はなぜ、中尾が急に「正義」を言い出したかという事情を探るため、中尾の自宅を訪ね、父、中尾信三(松村達雄)と会う。父は中学校の校長だ(松村さんといえば昭和40年代のホームドラマになくてはならない貴重な存在だったなあ)そして、父は河野に思い当たる節として、この前の休み、電車の中で女子生徒にちょっかいをかけるチンピラに注意したところ、電車をおりたところで、暴行を受けた。しかし、周りのものは見るだけで誰もなにもしなかった・・・というできごとのいあったことを告げた。
 事情を知った河野は次の日、クラスの中に、その、見てみぬふりをしていた者が何人かいる(柴田・山本・木次・小西・中村)ことを知り、「月光仮面を非難することはできない」と激怒する。
 そんななか、元倉は河野に中尾をバーや料亭の多い場所でみかけたと告げる。
 河野は中尾に事情を聞くが、中尾は河野に「今度月光仮面は大きな悪に挑戦する」と宣言するが詳しくは語らなかった。
 さて、ここはさる料亭の近く。中尾が門から出てくる人物を見張っているようだ。中尾はたまたまその料亭からでてきた畑野文子(降旗)・・・実はこの料亭は畑野の親戚の店で畑野は遣いに来ていた・・・に対し、中尾は「ある本屋で教科書の業者の話を立ち聞きしていたら、ある学校の校長がその業者から飲み食いをさせてもらったり、金銭を受領していることがわかった。その業者と校長がこの中にいる。自分はそれを「月光仮面」を通じておおやけにする」と告げる。
 そして、暫時、物陰で待つ中尾と畑野。そして、玄関からでてきたのは、なんと、中尾の父その人だった!中尾は大ショックを受ける。家出父を詰問するが、父は黙って何も言わなかった。
 それでも中尾は自分の父だからといって妥協せず、学校仮面にそのことを書いて公表することを決意する。河野もどう対応していいかわからず、いらいらしていた。そんななか、突如、寮の河野のもとへ中尾の父が訪ねてきた。そして、昨年家を建てたときに業者から便宜をはかってもらったことなどを告白し、業者とのやりとりの明細を河野に渡し、「それを実子の中尾洋一に渡し、月光仮面に渡してやって欲しい、」と告げる。
 河野はそれが中尾の父の失脚を意味することを知りつつも、中尾にその資料を渡し、中尾は「月光仮面」でそれを公表してしまう。 河野は海岸で中尾をはげます。
 結局、中尾の父母はしばらく母の郷里で頭を冷やすことなり、中尾と河野は父母を東山駅で見送る。父は河野に中尾が「先生は僕のためにないてくれた」とよろこんでいたことを告げる。中尾はサッカー部に入部する。  

※ロケ地情報

① 国士舘大学鶴川校舎のグラウンド・・・
以降、時々出てくる。今回はサッカー部の練習にしようされている。初代仮面ライダーの藤岡さんがこの近くでバイクでこけてケガをしたという情報もあるが真偽はわからない。

国士舘大学鶴川校舎の位置


国士舘大学鶴川
国士舘大学 昭和49年前後の写真
野球のグラウンドが少し西にずれている。またサッカー場北の青色の建物の屋根も確認できる。
「国土画像情報(カラー空中写真) 国土交通省」より


鶴川校舎を東から俯瞰 鶴川校舎建物
鶴川校舎を東から俯瞰。
手前に新しい建物ができてややイメージはことなるが
この角度からの撮影シーンはドラマでよくでてくる
鶴川校舎建物



② 校舎・・・
日大明誠ではない、学校・校舎が使用されており、場所は特定できていない。以降、時々、ロケに使用されている。
③ 日大明誠・・・
片桐たちが覗きを画策する場面は体育館南側。おりてくる坂道は体育館とグラウンドを結ぶ坂道
④ JR上野原駅・・・
中尾がチンピラに暴力を受ける階段や、父母を見送るシーン。
⑤上野原駅 ・・・
父母を見送るシーン。なお、父母は急行電車(165系)に乗車し、甲府方面に向かった。駅にはタンク車も何両かみかける。この駅はこのあとの何回か東山駅として登場する。中尾がチンピラに暴行を受けたのもこの駅の階段。


>父母を見送るシーンの場所
中尾が父母を見送るシーンの場所(ホーム西寄り) 中尾がチンピラに暴力を受ける階段


⑥ 川原・砂利とり場・勝瀬橋・・・中尾と河野が走るシーンなど。相模湖か上野原近辺と思われる
第二十章ご参照。 ⑦ 海岸・・・中尾と河野が走るシーンなど。特定できていない。


※マニアック情報

① 今週の委員
岡田良吉、松村和夫、鈴木○子


第15話 栄光とはなんだ!



あの竜雷太や火野正平が出演する。
サッカーの名門校からセンターフォワードで名ストライカー、「黄金の左足」を持つといわれた兵頭ゆきお(火野正平)が転校してきた。しかし、彼は足をひきずっており、表情も暗い。河野はサッカー部への入部を勧めるが、兵頭は
1)トレーニング方法を一任すること、そして
2)西高校との試合をすること
の条件の下、トレーニング・コーチを引き受ける。
早速部室に集合した部員に対し、兵頭(火野)はYAC作戦-やっちょろ作戦と称する-を説明する。Yは“やじ”、Aは“足”、Cは“(審判の目を)ちょろまかす-という意味である。つまり、アンフェアの精神である。また、部員たちは河野にこの練習を見せまいとボールの修理などを依頼する。しかし、河野もようやくYAC作戦の正体を知ることとなり、兵頭を詰問する。
兵頭はようやく、背景を説明する。それによれば、去年、ヨーロッパ遠征を決める試合(昭和46年9月18日)で、西高校の大原にスライディングタックルを受け、左足にダメージを受け、遠征に行かれないどころか、サッカーもあきらめざるを得なくなったということだった。一方、大原は代表に選ばれた。兵頭はこの件以降、審判の目の届かないところでは何をしてもよいという屈折した感情を有するにいたった。河野もどう対応していいかわからず、居酒屋で泥酔する。そして、居合わせた校長にあたる。
 河野は意を決して、東京西高校のサッカー部部長を訪問し、部長が大学時代の河野(東西大学出身)の2年先輩で、湘南大学出身の森岡(竜雷太)であることを知り、大学リーグ以来の再会を喜ぶと同時にすっかりとうちとける。そして、兵頭の出した2つめの条件、西高校との試合をすることを願い出る。河野はさらに兵頭が遺恨を持つ大原ともあい、事情を聞く。大原はあれ以来、サッカーを休んでいた。そして、決してケガをさせるつもりではなかったこと、そして、兵頭がサッカーに戻ってくることを待っていることを告白する。森岡(竜)は、太陽学園との試合を承諾する。
 河野はそれを兵頭に伝え、試合が今週の日曜日に開かれることを知らせる。また、部室で河野は部員に「西高校はインターハイ出場選手を出す」といっていることもつげ、アンフェアではなく、フェアの精神で臨むよう指示する。
 一方、兵頭は、動揺しながらも海辺で一人で練習をするが、なかなかうまくいかない。
 そんな兵頭に河野は「ボールがけられるようになったら来い。まず大原より自分に勝て」と諭す。
 そして試合当日。兵頭は姿を見せない。やがて、兵頭がやってくるが、試合にはでないという。河野は「左足がだめなら右足でやれ!みんなお前のためにやっている。西高校のみんなも見ろ!」と命じる。
 そのとき、片桐がケガをする。そしてペナルティキックの権利ができた。しかし、選手はもう誰一人として残っていない。そのとき河野は「片桐にかわり、兵頭!」と審判に告げる。また、西高校の森岡もこれに呼応して、「キーパーに大原」と告げる。ここに兵頭対大原の対決となった。兵頭は意を決してシュートをする。そして、大原はそれをしっかりと受け止めた。しばしの沈黙・・・。そして、兵頭は大原と握手をし、最後は河野の胸に飛び込み、号泣するのであった。


※ロケ地情報

① 日大明誠・・・サッカー部員に兵頭を紹介するのは裏山。
その他、本エピソードでは、グラウンド・円形校舎前玄関・体育館下坂道・正門が登場。
②国士舘大学鶴川・・・サッカーの練習。
③校舎・・・柴田山本がA作戦の練習と称し、スカートめくりをしようとした校舎は特定不可(第14話と同一と思われる)
④多摩高校・・・東京西高校。第18章ご参照。

第16話 恋愛か友情かそれが問題だ



片桐(剛)の森下(青木)に対する片思いの感情はつのる一方。夢にも現れる。そんな状況で、少し元気の無い片桐を木次(森川)が心配し、事情を聴く。そして、理由を理解した木次は「友達じゃあないか」と、なんとかしようとする。
 木次が最初に考えたのは太陽学園の「美女」を木次が集め、その中から片桐が気にいった女性とがいれば 木次が話をつけるというものであった。木次は森下が河野にあこがれていることから片桐に状況不利と判断、森下を忘れるためにほかの女生徒にアプローチするという作戦をとったのだ。そして、学校の図書館にその「美女」を順番に呼び出す。そして物陰に隠れながら木次が一人づつ紹介していく。しかし、片桐は、全く関心をもたない。
 しかし、最後に元倉(酒井)につれられてはいってきた女生徒に片桐はビビッドに反応する。木次もなぜかおどろいている。実は彼女は県立東高校の新聞部、清水純子であり、今般、各校の図書館の記事を出すために取材に来ているのであった。そして、東高校から転向してきた木次とも顔見知りであり、2人は久々に会う。しかし、木次はなぜかそそくさと逃げるように図書館を出て行った。
 一方、片桐は清水になんとかアプローチしたいと木次に懇願する。乗り気でない木次に片桐は「紹介してくれるといったじゃあないか」と半ば強引に清水とのデートをコーディネートさせる。そして、片桐は駅前の喫茶店で、清水と、お茶を飲む。
 片桐はそこで日曜日の夜の音楽会でのデートの約束を取り付ける。片桐はそのためのバイト(スーパーマーケットで怪獣の縫いぐるみを着て、店の外で大安売りをPR)を行う。
そして、音楽会のスタートが18:00からであり、事前に入浴などしなければならないと、15:00からバイトを替わってくれと、木次に依頼する。木次は「人のデートのためにバイトをするの?」と嫌がるが片桐は「友達だろう?」と強引である。そして、縫いぐるみを脱ぐため、木次にチャックをあけさせようとするが、木次はわざとチャックを壊し、片桐が音楽会にいけないようにし、自分が替わりに清水とデートをするといって、片桐をほうったらかしにして、音楽会にでかける。(なお、この際、店の担当者としてウルトラQでおなじみ、西条___が登場する)。
 そして、清水と木次は楽しそうに過ごす。片桐は怪獣の縫いぐるみをきたまま、木次をおいかけ、やがて、楽しそうにしている木次と清水を見つけ、木次を追い回す。周囲にはたくさんの通行人が集まっている。
 やがて、そこに居合わせた柴田・山本より知らせを受け、河野も寮からかけつける。怪獣の中身が片桐であることなど彼は知る由もない。そして、ついに怪獣を投げ飛ばす。縫いぐるみが破れ、中から出てきたのは片桐であった。
 そのあと、木次は河野や片桐たちに「自分も以前、清水にあこがれていた。にもかかわらず清水が簡単に片桐とのデートをOKしたのが悔しかった。自分も以前、清水とデートしたかったんだ」と告げる。
 木次は翌日、片桐に、「この前の償いに、あらためて、清水とのデートをセッティングしたので河原に行ってくれ」と告げるが、今度は片桐が「友達だろ」とこれ拒否する。
 木次は仕方なく、河原に行き、清水に事情を説明する。そのとき、清水は思わぬことを口にする。実は清水の方も東高校時代、木次のことが好きだったというのだ。今回の新聞部の取材に太陽学園を選んだのも木次がいるからだ。そして、好きだった木次からのお願いだったので、片桐とのデートも受けた・・・ということだった。
 木次は驚いて河野に報告するが、片桐にどう、切り出していいかわからず、苦しむ。
 片桐はまだ事実をしらず、相変わらず、清水は自分に気があると思い込んでいた。そんなとき、不意に清水がサッカー部の練習中のグラウンドに現れ、片桐に気次への手紙を託す。その手紙には、清水が関西へ転向すること、最後になって、木次に会えてうれしかったこと、そして、片桐には悪いことをしたということが述べられていた。ここではじめて片桐は事実を知ることになった。
 清水が、関西で向く日が来た。片桐は木次が見送りにいかないことをいぶかる。そして、河野になんとか、見送りにいかせるよう、懇願するが河野は当然のように「授業をさぼってまで、女の子を見送りに行け、とは言えない」と拒否する。
 木次は授業をうけながらも、ぼうっとしている。そのとき河野の叱責が教室に響いた。「俺の授業が気に入らないのか!頭を冷やして来い!駅まで往復マラソンだ!」
 こうして木次は河野の厚意で駅に見送りに行く。しかし、駅のホームに到着した直前、清水を載せた汽車はすでにはるかかなたに消え去ろうとしていた・・・・
 がっかりして学校に戻った木次に対して、河野は「また会えるときもあるさ」と励ます。そして、木次も元気を取り戻し、片桐とともにサッカーの練習へ出向く。
 この回は私の好きなエピソードの上位である。河原で清水が木次に「実は好きだった」と告白するシーンはBGMともあいまって、非常にいい雰囲気だし、河野が駅までの往復マラソンという奇策で木次を駅に向かわせるシーン、そして、最後に河野が木次を励ますシーンなども感動的である。こんな、恋をしたかった。
 なお、話はそれるが、本エピソードでは3-D女生徒たちの水着姿が披露される。それにしても撮影とはいえ、教室内でビキニになった、森下役の青木さんも、結構恥ずかしいものがあったmのではないだろうか。また、ラストシーンで女生徒達がプールへいく場面、おのおの、カラフルな水着着ていた(大島はスカートつき)


※ロケ地情報

① 日大明誠・・・正門付近やプールなどで撮影


 
日大明誠・・・正門付近
日大明誠・・・正門付近


② 野川水道橋・・・片桐がバイトに行く途中、木次と出会う場所


野川水道橋


③ スーパーマーケット・・・
小田急沿線には間違いないと思うが、特定はできていない。あるブログでは千歳船橋駅近くとあった。第19章ご参照。
④ 小田急向ヶ丘遊園駅南口・・・
怪獣のぬいぐるみを着た片桐は、南東方向から駅に向かう。そして、駅前で木次と格闘。その後、かけつけた河野に投げ飛ばされる(このあたりには昔、釣堀があったようだ)
⑤ 国士舘大学鶴川・・・
サッカー部の練習。清水が木次への手紙を片桐に託すのもここ。
⑥ 河原・・・
二カ領堰と思うのだが・・・
⑦ JR上野原駅・・・
木次が清水を見送りにいった(間に合わなかったが)駅。なお、列車は上り、すなわち、新宿方面行き。車両は旧型客車(35,42系)。この時代、まだあの懐かしい茶色の旧型客車の列車はたくさんあった。 いまのJRは便利ではあり、いろいろなカラフルな車両が在籍するが、なんというか、重厚感といったものがほとんどない。こう思うのは自分だけだろうか。


JR上野原駅通路
JR上野原駅通路


⑧ 勝瀬橋・・・駅に木次が向かうシーン


※マニアック情報

① 木次が図書館に呼び出した太陽学園の「美女」
2A山下美代子、1C玉井和子、3A河合久美子、1D辻井真紀子、2D松下由香、3C山上文江、1A光岩幸子
②歌
・ 天地真理「水色の恋」・・・ 駅前の喫茶店で片桐と清水がお茶を飲んでいるときのBGM
・南沙織「17歳」・・・音楽会の待ち合わせ場所で流れているBGM
③片桐の服・・・はじめは白黒。




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