第7章 飛び出せ青春 第17話~第22話 ロケ地 (多摩川のボート 北海道 ) あらすじ



第17話 老人パワー大爆発



サッカー部の練習中、柴田(頭師)がボールを第二職員室、通称、“楢山”に蹴りこんでしまい、ガラスを割ってしまう。ここには森岡先生(沢村貞子)、通称“およね先生”達3名の老教師がつめている。他の2人は生物担当の平松先生と石田先生である。
 一方、河野は校長の杉田にLL教室(英語)の設置(LL教室とは懐かしいことばだ)を提案し、その場所を第二職員室とすることを提言する。それを廊下で立ち聞きしていた森岡は、河野に対して反感をもつ。校長は、森岡たちに第二職員室からの立ち退きを説明にいくが、「私たちを追い出すつもりか」などと、険悪な雰囲気となる。
 森岡たちは昨年(昭和46年)に、職員室からここ第二職員室へ入れられ、最初はショクだった。しかし、ようやく、自分たちの終の棲家として整備してきたのにいまさら出て行けというその強引さに立腹している。
 3人はそして、この追い出しの首謀者が河野であると考え、さまざまないやがらせを始める。河野の挨拶をわざと無視したり、河野が担任の3-Dの授業で、お辞儀の仕方にいちゃもんをつけたり、河野への反感は3-Dの生徒にまで波及してしまう。
 そのころ、職員室では江川教頭と塚本がなにやら画策していた「LL教室を口実に第二職員室から3名を追い出すことは彼らの退職に直結するチャンス。またLL教室はいずれ成績管理のためのコンピュータルームとする」というものである。さらに杉田校長が胃痛のため入院するという一報も入り、江川に追い風が吹く。授業のほうは石田は詩吟を長々と歌い、平松は深夜放送を聞いて授業中眠たくなってしまうなど、まったく授業にならない。
 これには3-Dの生徒たちにも我慢の限界が訪れ、生物の授業で、黒板を後ろに移すなど、反撃に出るが森岡はまったく動じない。
 河野も自分も生徒もこういったいやがらせを受け、第二職員室に抗議に出向く。
 また、元倉明子にも相談するが、元倉は「森岡先生は病気の母妹の世話をし、結婚もしなかった。だから変ながんばり屋になった」と身の上を明かす。
 さて再び、3-Dの教室。生物の授業中、森岡は神経痛の症状が出て、授業続行が不可能になる。皆、その様子を見て笑うが、森岡は皆に「みんな年寄りになる。笑っているあなたも。あなたはおじいさんに。あなたはおばあさんに。いつかは私のようになる」と絶叫して教室を出て行く。
 河野は生徒たちの無礼を詫びに、夜、森岡の自宅を訪れる。森岡はふとんにくるまりながらも、生物の授業のための教材を一所懸命つくっていた。夕食がまだだというのを聞いて、河野はおにぎりを作って、森岡に食べさせる。
 江川は全校放送で「LL教室を第二職員室に設ける。そして、いずれ成績管理室となる」ことを全校生徒に告げる。森岡たちのみならず、河野も成績管理室のことなど寝耳に水のことであり、驚く。森岡たちは放送室に乱入し、放送はストップしてしまう。森岡たちは追い出しの張本人は江川であることを知る。
  3-Dの教室で森岡は、自宅でつくった、教材(「ボルボックス」と書いた紙ほか)を黒板にはって、授業を続行しようとするが神経痛の症状が出て、張ることもできない。みかねた小西や柴田・山本・野口・畑野・大島らが、森岡の代わりにそれをはった。その様子を見ていた森岡は感激し、「河野はご飯まで作ってくれたいいひと。私が間違っていた。みなさん、私を許して」と感涙にむせび、生徒たちと和解する。
 第二職員室では平松の発案で家出をしてみなを心配させようとする。  病院では河野が杉田校長を見舞うが、杉田校長は「成績管理室などとんでもない。生徒はデータをしめすテープではない」と江川の策略を一蹴する。
 そして3人は「家出」を決行。勝瀬橋などを経て、河原でピクニックをはじめる。  そして、河野・元倉と3-Dの生徒たちは3人を探しに出る。そして河野がタクシーの運転手からの情報で、県道の向こうのボート小屋でみかけたということが柴田は「木の橋を渡った向こうの河原だ」と判断、みなで河原に向かうと果たして森岡たち3名は食事の真っ最中だった・・・。
 そして3人は河野たちの説得に応じ、第二職員室を出て、一般の職員室に移動した。 ラストシーンはサッカーの練習。杉田や森岡、平松、石田も参加して生徒と一緒にボールと戯れていた。
最も、印象に残ったのは森岡が皆に「みんな年寄りになる。笑っているあなたも。あなたはおじいさんに。あなたはおばあさんに。いつかは私のようになる」と絶叫したシーン。非常に重い言葉である。
ところで杉田校長は「生徒はデータをしめすテープではない」と発言するが、30年前のコンピュータはプログラムやデータを紙テープやカードで入力していた。私も元SE・プログラマであったので(もっとも紙テープやカードはみたことはないが)この発言に興味をいだいた。    

※ロケ地情報

①国士舘鶴川・・・
サッカー部の練習。冒頭、柴田がボールを第二職員室に蹴りこんでしまうシーン。3名の老教師が河野にいやがらせをしようと決めるシーン。ラストでサッカー部員と杉田校長や森岡平松石田がサッカーをするシーン。
②日大明誠・・・
正門付近・玄関付近。
③校長が入院した病院・・・
特定できていない
④みなで森岡たちを探すシーン・・・
特定できていない
⑤勝瀬橋・・・
森岡たちの家での途中で出てくる。

※マニアック情報

① ネタふり・・・なぜかこの回だけ、黒板横にテレビがある。全校放送のシーンのための ネタふりであろう。
② 今週の委員・・・
関武○、大橋健次、野村太郎



第18話 俺にできないこともある



陸上部の高山悦子(中島ゆたか)は走り高跳びで1m63cmをめざして、顧問の元倉(酒井)の指導の下、練習に励んでいる。
 サッカー部のマネージャー畑野(降旗)はふがいない部員の強化をはかるべく、部員に対して、きつくあたる。さらに、部室で、強化メニューを発表する。まずはヘッディング一人10分。実際グラウンドで実行するが、みな、へとへとに疲れてしまう。  教室ではサッカー部員が、畑野に対する退部勧告・除名を話し合う。それをたまたまきていた畑野は退部を決意し、河野に申し出る。そして河野の引止めを断り、ただちに陸上部への入部を顧問の元倉(酒井)に申し出て、認められる。
 サッカー部員もいったんは、きつい練習をしなくてすむように。なると歓喜の声を上げる。  畑野は陸上部のメンバーにマネージャーとして紹介されるが、女生徒ばかりの陸上部員の反応は冷たい。そして、部員たちは畑野へいやがらせをして、追い出そうという話となる(女性の冷たい面)
 畑野酒店ではサッカー部ファンで自分の娘がそこのマネージャーであることに誇りを持っている畑野の父(下川辰平)が、娘がサッカー部をやめてしまったことに怒り、口論となってしまう。畑野の父は寮の河野の部屋を訪れ、あらためて、やめさせないように願い出る。河野も畑野に復帰して欲しいのだが、自信が無い・・・。

河原のアイスクリーム屋推定位置(多摩川)周辺図
河原のアイスクリーム屋推定位置(多摩川) 河原のアイスクリーム屋推定位置(多摩川)周辺図


 しっかりものの畑野がいなくなったサッカー部は今になって畑野の存在のありがたみを知る。グラウンドにでても、ボールは出ていないし、ゴールのネットははっていない。今までツケがきいていた河原のアイスクリーム屋の女店主からも「あのしっかりした女のマネージャーがいなくなったのならツケはだめ」とツケを断られる。
 一方新マネージャー畑野に対する陸上部員のいやがらせは続く。畑野の考えた練習メニューを無視したり、スターターのちょっとした場所に難癖をつけたり。あるいは、畑野の投擲距離計測を疑ったり・・・。さらに、肩を揉め、意思が転がっているから取って・・・。
 それでも畑野はがんばり続ける。  そんな様子を見た河野は元倉に「畑野へのいやがらせをやめるよう部員へ注意して欲しい」と要求するが、河野は逆に元倉から「畑野は今でもサッカー部に戻りたいと思っている(そんなことがわからないの?)」と返される。 そして河野は、黙ってサッカー部の練習エリアの石をひらっている畑野の姿を目撃するのであった。あらためて、河野は畑野にサッカー部に戻るように願い出るが、畑野は拒否。河野も自分のふがいなさにいらだち、サッカー部員たちにもあたりちらす。
 さて、陸上部の練習。畑野は1M63に設定した高さをあえて1M60だといって、高山悦子をリラックスさせ、高山はそれを見事にクリアする。そして、実際は1M63を超えたことを知り、畑野と抱き合って喜ぶ。(このときバックに流れるBGMも私のお気に入り)陸上部員はいまや畑野に恩を感じ、わだかまりは消える。
しかし、陸上部員はサッカー部に戻って、と畑野に言う。彼女たちも実は畑野がサッカー部に帰りたがっていることを知っていたのだ。本心をしってもらって、畑野も感激し、サッカー部に戻っていき、サッカー部員も大歓迎する。
 第18話はここで終了。
 感動したのは、畑野が一人で石拾いをしているシーンと、畑野が高山悦子と抱き合うシーン。私はこの回を見て、畑野ファン、いや、降旗文子ファンになってしまった。髪型もかわいいし・・・。

※ロケ地情報

① 陸上部練習中のグラウンド・・・
特定できていない。
② 校舎・・・
畑野がサッカー部員の会話を聞き耳立てて聞いているシーン。特定できていない。第一話の県立東高校と同一と思われる。ラストの裸でのランニングシーンでも使用。
③ 国士舘鶴川・・・
サッカー部の練習。サッカー部の練習終了後、畑野が一人で誰にも言わず石をひらっているシーン
④ 畑野酒店
⑤ 河原のアイスクリーム屋と思われる。小田急の和泉多摩川駅南、国道の橋の下(狛江市側)・・・

※マニアック情報

① 部室に掲げている、部員札
柴田良吉、山本大作、谷岡、片桐、小西、中村清、木次、橋田圭介(第_話、殴られ屋の体育委員会の副議長。いつのまにか入部)、中尾洋一。休部、高木。マネージャー畑野。そこまではわかる。そのほか、野口文雄、吉村○、○原和久なる部員もいるようだ。


第19話 北海道へはついたけれど



19・20話は北海道ロケである。サッカー部は北海道で牧場を経営している河野の先輩のところに宿泊して、合宿することになる。そして、港から「まりも」に乗船し、3時間に船旅に出る。出向直前、マネージャーの畑野の補助ということで桜井も同行することになる。また、森下も“サッカー部とは別行動で”乗船(彼女だけは特等室)、一緒に北海道に行く。
 船中では、みな、リラックスムードで、練習にも身がはいらない。森下は特等室の自室に河野を呼びいれ色気で言い寄り、たまたま、片桐に目撃され誤解を受ける。 また柴田・山本はゲーム に興じ、小西・中村・畑野・桜井はデッキで遊ぶ。片桐・木次・谷岡・橋田はマージャン組だ。夜は夜で小西組はゴーゴーを踊る。(このあと男子部員の入浴シーンがあるが、小西のお尻が印象的)
 河野はこの緊張感の無さに怒り、皆のサイフをこっそり回収する。そして、4つのグループに分け、それぞれのグループに一人400円ずつ渡す。そのお金で目的地の雄阿寒・雌阿寒のふもとのアイヌ部落をめざすこととする。バスに乗れば590円なので全線乗車は無理。何も食べずにバスで途中まで行きそこから歩くのか、飯を食べて、ひたすら歩くのか、各グループに任される。  マージャン組は木次の発案でパチンコで(5月に18歳になった)400円を元手に、お金を増やそうとするが結局全部すってしまう。そして、とぼとぼと歩き始めるが、なんとかヒッチハイクに成功。乗車スペースの都合で、片桐のみは乗車できない。木次・谷岡・橋田は乗車するが、少し進んだところで、木次が安心感からか 放屁し、車を降ろされ、再度片桐と合流して歩き始める。そのとき、木次は自分のパンツの中に5000円を見つける。山本のパンツと履き違えていたのだ。このお金でマージャン組はバスに乗ることができる。
 ゲーム組は山本がパンツの中にお金をぬいつけていたという話を信じ、バスに乗るが、途中でそのパンツが自分のものではないと気づき、バスを降りる。
 あまりにもの空腹に耐えかね、マキの発案でレストランに入り、お金もないのにたらふくご飯を食べる。そして、店主をマキの色気でたぶらかせ、後日送金・・・ということで話をつけようとするが店主の奥さんに見つかり、結局、柴田たち3名は店の皿洗い、にわとり小屋の掃除など、手伝いをするはめになる。そして、最後は店の車で目的地まで送ってもらう。  ジュークボックス組は小西・中村がご飯を食べてしまい、お金がなくなり、歩き始める。途中、小西・中村が桜井・畑野を牧場で不要になった貰い受けた大八車に乗せて、運ぶ。
最後は森下に便乗して目的地に向かう。
 河野はただひたすら大湿原の中を歩きつづけた。そしていきなり女性二人組の車に拉致されてしまった!そして、なんと結婚式の会場にひっぱりこまれ、和服の礼服を着せられる。そして、___(玉川良一)から「花婿が結婚式の日に逃げ出しやがって」といわれる。どうやら人違いのようだ。河野は誤解だと言い張るが__(玉川)は聞く耳を持たない。河野は逃げ出し、ボートに乗船するがが、父もボートで執拗に追いかけてくる。屈斜路湖でにわかの競艇がはじまった。やがて、河野はつかまり、結婚式場に引き込まれる。と、そこには河野そっくりの花婿がいた。ここで人違いだと初めて判明する。
 片桐が大きなラワンブキを持って歩くシーンはおもしろかった、

※ロケ地情報


釧路・阿寒周辺図
釧路・阿寒周辺図

① 出発港・・・
まりもに乗船。特定できていない。
日本近海郵船 ② 釧路・ぬさまい橋・アサヒビール
③ パチンコチャンピオン ④ 釧路湿原
⑤ 阿寒湖畔
⑥ 阿寒岳神社・・・河野が女性に拉致される現場
※マニアック情報

① 部員の人数
・ 港および船上で、おかっぱのような部員(ふかわりょうのような髪型)がいるが、 北海道到着後は姿を現さない。どこへいってしまったのだろう。
・ 釧路から阿寒までは4つのグループに分けられる
1)マージャン組(片桐・木次・谷岡・橋田)
2)ジュークボックス組(小西・中村・畑野・桜井)
3)ゲーム組(森下・柴田・山本)
そしてもうひとつ 第4のグループがある。なにもセリフはない・・・いったい、誰なのか。そして、これ以降、姿を見せない。上述のおかっぱといい、どこへ行ってしまったのだろうか。
② マキは父のおかげで特等室だった。第5話では父に反発を持っていたとも思えるのだが・・
③ サッカー部の予算はあと28円だった。だから、野球部などのように簡単に合宿できず、バイトで交通費を稼ぐ(宿泊費は河野の先輩宅に逗留するので無料)
④ 歌
朱理 えいこ「     」・・・木次たちのパチンコの場面のBGM
⑤河野の代役(後姿)・・・________



第20話 遥かなるこの道



サッカー部員は河野の先輩の宇野の経営する牧場に到着する。しかし、出迎えもなく、宇野の態度も子供の智弘の態度もなんとなく冷たく、歓迎されていないようだ。
河野も2年前に訪問したときに比して牛の数が減っているような気がする。 部員たちは牛の世話などの仕事をする。
ランニング(屈斜路湖畔・SLと並走)も忘れない。 そのころ、部員と別れて、再び単独行動をとっていた森下はコタンという土産店で女性店員と子供が会っているのを目撃する。母が泣きながら子供を抱くなど、どうも様子がおかしい。その母は子供をつれて宇野牧場の近くまで送り、そのまま帰っていく。実は子供は宇野の子供、智弘であり、女性は宇野の妻なのである。そして、夫婦は今別居しているのだ。
その晩、キャンプフィヤーを皆で囲み、智弘も参加、宇野もそれをにこやかに見守っていたが、畑野・桜井が智弘に母の居場所を聞いたとたん、宇野の態度が急変、火を水で消してしまう。さすがに河野もがまんできず、宇野に抗議する。
さて夜、サッカー部員たちが就寝中、幽霊騒ぎが持ち上がる。かぼそい「開けて、開けて」という女の声が聞こえ、さらに、トントンと何かをたたくような音がするのだ。恐怖に震え上がる部員たち。河野も怖がりながらも、様子を確認に外へ出る。そして「幽霊」の正体が森下であることを知り、みなほっとする。森下は見栄をはって、単独行動をしたが、さびしかったのだ。
翌日、調理を手伝う森下は家の中にいる子供を見て、昨日、川湯のコタンという土産物屋で会った子供であると河野に報告、河野は智弘の母が川湯で働いていることを知る。
河野はその土産屋を訪れ宇野の妻と久々に会う。そして硫黄山の山すそを歩きながら、彼女が家を出て行った事情(智弘が発熱したときにすぐに医者に連れて行かなかった宇野への怒り、そして、牧場経営の厳しさ)を聞く。河野はもと子に牧場に戻るよう説得する。
 さて、牧場ではサッカー部員たちの宇野に対する感情はますます悪化、ついに、食事のメニューが発端で決闘する事になる。しかし、宇野は柔道5段、空手3段の腕の持ち主。部員たちはこてんぱにやられてしまう。
 河野は部員たちが皆、やられたあと、宇野を一発殴る。
 そして、「元の宇野さんに戻ってくれ」と懇願する。宇野もなきくずれてしまう。そして、みなで宇野と智弘を囲み、歌を歌って励ます。そのとき、道のはるか向こうから荷物を抱えた女性がやってきた。宇野の妻である。彼女は牧場にもどってきたのだ。そして夫妻は和解した。
 北海道合宿もこれで終了。部員たちは再びフェリーにのって、北海道を後にした。
本エピソードは北海道でのロケであったが、私自身、新婚旅行で阿寒・屈斜路・摩周・釧路をめぐったこともあり、あああそこでのロケだったのかと感慨にひたった。

※ロケ地情報

阿寒・川湯温泉周辺図
阿寒・川湯温泉周辺図

①冒頭のバスは阿寒バスの 和琴行きとなっている。部員は阿寒から屈斜路へむかったのだろう。少しだけ見える湖は摩周湖ではないだろうか
ランニングのシーンでは屈斜路湖の塩湯の立て札が見える。
②「川湯で会ったわ」という地名が森下の口から出てくる。
③河野ともと子(宇野の妻)が話をしながら歩くのは屈斜路湖に近い硫黄山であろう。水蒸気がもうもうと立ち込めている


※マニアック情報

①蒸気機関車と併走してランニングするサッカー部員の数は11名と見受けるが、 どうしても片桐・木次・柴田・山本・谷岡・小西・中村・橋田以外の3名が その他のシーンででてこない。
②①の蒸気機関車はC56-62と思われる。高原のポニーという愛称で有名だ。そのあと、旧型の荷物車・客車と続く。



第21話 学園の子連れ狼



この回には私が平野文(声優)ではないかと推定している目の細い女性は出演していない。矢吹礼子(相原)といい、準々レギュラークラスの代替わりの時期なのだろうか。
 さて東山駅前に1~2歳くらい の男の子を抱いた若い女性が、困惑したような表情で立っている。そして、たまたま実家へ帰る途中の太陽学園寮母のウメさん(菅井)を呼び止め、太陽学園までの道を尋ねる。ウメさんがそこで寮母をしていることを告げると女性は「河野先生を訪ねたい」という。ウメさんは河野が東京へ行って不在だと告げた上で「ここから15分くらい」と説明する。そしてウメさんは幼児(太郎)にキャラメルをあげ、女性の様子に若干の不審をいだきながらも、親子と別れる。
 一方3-Dの教室は河野が不在のため、自習である。女生徒たちは河野が東京に女性を尋ねていったことを知り、騒ぎ出す。注意にはいった元倉も、河野が女性に会いに行ったことを聞くと「誰?相手は誰?」とあわて、生徒たちの失笑を買う。
 その後、サッカー部員は校舎で小さな男の子がよちよち歩いているのを目撃する。冒頭の男の子だ。だが、母親らしい人は近くにはいない。中村が男の子のふところに手紙がはいっているのを見つける。そしてその内容は、「河野先生。太郎をしばらく頼みます。三っ杉恵子」というものだった。片桐たちは東京から帰ってきた河野にこれを見せ、河野も驚く。彼らはこの時点では河野の隠し子だという疑念を持っていた。河野は女子寮生たちに東京へ女性を尋ねに行っていたことを追求するが河野は「友達の奥さんから相談があるといわれていっただけ」と説明する。と、そこに太郎が河野のそばへよちよちと歩いていく。そして、「パパだっこ」といったものだからたまらない。寮生達の河野に対する隠し子疑念もますます増長する。
 3-Dの生徒たちは事実を究明すべく日曜日に教室で「裁判」を行うことになり、元倉(酒井)も呼ぶ。裁判長は中尾。検事役は森下、弁護士役は片桐。そして、柴田たちが陪審員だ。証人役の谷岡や小西が次々と証言台に立つ。元倉は「こういうことは職員会議」でやるということと、裁判の中止を求めるが、生徒たちの反論を受け、引き下がる。
 そして、河野は真相を説明する。河野が平和部隊に在籍し、東南アジアにいたときの友人、三杉こうへいが帰国後、恵子と結婚し、長男の太郎君がうまれた。しかし、三杉の会社は倒産、やっと、経理職で再就職したがこんどは奥さんの恵子が倒れてしまった。  三杉は経理の立場を利用し、会社の金を使い込んでしまった。恵子は退院するがこんどは三杉の裁判費用を稼ぐため、昼は保険の外交員、夜はスナックで勤めながら育児をしていたが限界に達し、もう生きるのはイヤになった。それを手紙で河野に知らせたため、河野が東京に出向いた・・・という経緯だった。3-Dの生徒たちや元倉は、なんとか母親をさがそうとする。
 しかし、江川や塚本たちに見つからないように、寮内で太郎の世話をするのは大変なことである。しかし、寮生や3-Dの生徒たちは必死に太郎の世話をする。
 が、育児の書籍を本屋で買い求めたり、ベビー用品(服・おもちゃ)を購入する生徒たちの姿はいやでも町で目立つ。さらに塚本が寮におしめが干してあったり、おもちゃが転がっているのを目撃し、不審に思う。
 江川・塚本は寮の中を捜査することにした。そして、ついに棚の中に太郎をかくまっていた片桐を発見する。
 しかし、河野はばれてしまったことよりも、太郎の母恵子の自殺の可能性のほうを心配していた。そして、「町の話題」というテレビ番組に太郎とともに出演、太郎の母、恵子がどこかでそれを見ていて、翻意することに最後期待をかける。
 さて、そのころ故郷に帰った寮母のウメさんは、偶然、実家の食堂(スーパー魚善)で太郎の母と遭遇するが、その時点ではわからなかった。そして、テレビでたまたま河野の出演している「町の話題」を見て、さきほど遭遇した女性が太郎の母であることを察知、急いで、彼女を追いかける。「離してください!」「あんた私の顔を忘れたのかい?」自殺しようとした恵子を引きとめ、ウメさんはテレビ番組を見せる。そこには太郎が移っていた。
 一方、職員会議では、授業を抜け出してテレビに出演した河野を懲戒するための会議が開かれていた。そこに、太郎の母が来て、太郎と再会する。TV局のインタビューに対し、江川は「河野のとった行動はまことにヒューマニズムにあふれ、彼のような教師がいることを誇りに思う」と言わざるをえなかった。
 こうして、太郎と母は3-Dのみんなに優しく見送られながら、次の新しい生活に希望をいだきながら、学園を去っていった。

※ロケ地情報

① 冒頭の東山駅・・・
今回は小田急向ヶ丘遊園駅来た出口。なお、「町の話題」というテレビ番組の収録はこの駅の南出口。
② 校舎・・・
特定できていない。
③ 野川水道橋・・・
太郎をおぶってサッカー部員がランニングすシーン
④ 国士舘鶴川・・・
太郎をサッカーボールのかごにつないで、サッカーの練習をするシーン
⑤ スーパー魚善・・・
特定できていないが、件のブログにより、伊豆・伊浜だと思われる。島の形も酷似。


※マニアック情報

①今週の委員・・・原田正雄、山田二郎、平岡正明


第22話 飛び込もう青春の海へ



寮生や河野、そして、一部の3-Dの生徒たちは夏休みを利用し、寮母のウメさんの実家「かもめ島」へ5日間、滞在することとなる。店の手伝いをしている高木も誘われるが、高木は「行かない」と言い張る。そして、出発当日、集合場所の港ではメンバーがそろったがやはり高木は来ていない。しかし生田(大田黒)は高木はかならず来ると主張、「絶対こない」という山本・木次とかけをする。もし、高木がこなかったら生田は山本・木次にキスをし、もし高木が来たら、山本・木次は生田の言うことをなんでも聞くこととなった。
結局、高木は来ず、船(朝日丸)は出港する。そのとき遠くからボートに乗って一人の青年が船に近づいてきた。なんと、高木だったのだ。高木は皆の乗る船に乗り移る。山本・木次は約束どおり、女生徒たちの「奴隷」となる。
 (なお、この旅行には桜井は参加していないが、野口が参加している)
 船内ではウメさんが船長の勝司(柴田) が島から本土まで泳げる唯一の人物であることを皆に話すが、高木はそれがおもしろくない。
 やがて船は島に到着。そして、ウメの兄の経営する魚善という食堂でわらじを脱ぐ。店員のなみえは船長の勝司の妹である。  一行はウメの兄に引率されて、島の去年廃校になった建物に案内される。ボロボロの建物に皆唖然とするが、宿泊費はタダだから仕方がない。
 ミーティングで河野は皆に「我が目標」というテーマを各自設定し、レポートを夏休み明けに提出すること命じた。片桐は「女の子を口説いて民謡を習う」中尾は「単語を暗記する」、柴田・山本は「泳ぎを練習」、谷岡・中村は「横井庄一さんのようにシャツやズボンを作る」、小西は「減量」木次は「あけがらすという落語をマスターする」森下・畑野・大島・野口・ウメは「肌をこんがり焼く」、生田は「魚善のおじさんに料理を教えてもらい高木の店の役に立つ」河野は「石鯛を釣る」ことをそれぞれ目標にあげる。しかし、高木はテーマなど設定しないと言い張るのであった(なお、橋田も参加しているのであるがテーマの発表をした形跡がない・・・・)
 さてこちらは畑仕事をしている勝司とその友人2人たち。町から来るやつははなもちならない、とないにやら不穏な会話をしている。
 一行は準備運動のあと、海にはいる(なお、この直前女性陣の水着姿を拝めるが、生田はオレンジ色の水着、ウメさんは真っ黒の水着)
 魚善では生田が勝司の妹のなみえと料理をしているが、なみえは少し熱があるようだが、「大丈夫」と言い張る。  スイカ畑では、高木たちが勝司たちの承諾なく、スイカを持ち帰ろうとしたことで、高木たちと勝司たちの間が一触即発状態になる。また、勝司の友人たち2人は生田をどこかに連れて行こうとするがたまたまみかけた高木によって阻止される。港では島唯一の本土との連絡手段である船が柴田・木次・小西のイタズラで動かなくなってしまった。激怒する勝司と高木とが殴り合いのケンカになり、勝司は腕を骨折してしまう。島中の人たちが心配そうに集まってきた。船は島の住人にとって、貴重なものなのだ。そのとき、なみえがふらふらと倒れてしまう。どうや肺炎のようだ。しかし、この島には医者もいないし、電話もないので本土へ救援を求めることもできない。唯一の船も故障してしまった。
 勝司は骨折したにかかわらず、本土へ泳いで救援を求めにいくという。そんな勝司を高木は殴り倒し、自分が海へ飛び込み、本土へ泳ぎだした。河野もそれに追従して海へ飛び込んだ
第22話はここで終了。
感動したのは高木が海へ飛び込んだのを見た勝司が「先生も言ってたよ。あいつ本当はいいやつなんだ」と言うシーン。これまたBGMとあいまっていい雰囲気だった。

※ロケ地情報

ほとんど、海岸付近だが特定はできていないが、件のブログにより伊豆に間違いないだろう。。
伊豆半島の概略地図
伊豆半島の概略地図
伊浜、子浦のロケ地概略推定位置
伊浜、子浦のロケ地概略推定位置

① 魚善・・・
件のブログにより、伊豆・伊浜だと思われる。島(宇留井島?)の形も酷似。
3Dメンバーが、梅さんの兄の店にはいるシーンは上記地図①「スーパー」から宇留井島の方向を撮影したと思う
また、島の「かつし」たちがスイカの刈り取りをするシーンは上記地図①「すいか畑」から黒「←」の島A方向の撮影と思う。
生田みどりが男二人に襲われそうになるシーンも そのあたりか
片桐が、かつしの妹「なみえ」に島の女の子を紹介してほしいと頼む、防波堤(?)はスーパーの南のあたり(∵宇留井島がみえる)か
また、片桐が「よし子」を紹介されるのは上記地図①、点線の○あたりから宇留井島方向の撮影と思う
②海水浴をする場
 1)3Dの4メンバーが海水浴に出発するシーン(梅さんのみずぎ、高木が生田の水着に不満を述べるシーン)・・・伊浜と思われる(∵宇留井島が左にみえる)
 2)泳ぐ場面(ビーチバレーのシーン、高木・小西がふんどし姿を笑われるシーン、落とし穴のシーン)・・・吉佐美浜西の亜相浜(∵岩の形が同一)か
③宿泊する廃校の場所は不明
④「かもめ島」へいく船の出発港・・・子浦漁港と思う。
河野が、3Dの皆に挨拶するシーンは上記地図②の↓方向の撮影と思う。また、出港後すぐのシーンは同⇒の方向の撮影と思う。
⑤その船が到着する港、・・・伊浜漁港と思う(∵宇留井島がみえる)
⑥小西・柴田・木次が、かつしの船を壊すシーン。島の人や3Dのメンバーがあつまる港。高木が海に飛び込むシーン・・・これも伊浜漁港と思う(∵国土地理院の昭和49年の航空写真と港のバックの建物より
⑦冒頭の高木の店・・・・・みずほ銀行祖師谷支店すぐ西・・・
「やきとり おでん おみや」の看板がうつっているが、ここが、高木の店の設定みたいだ。
第13話「さらば高校五年生」で 3-Dのメンバーが高木の店を手伝いに来るが、高木に断られ、帰宅するシーン(メンバーは板前、コック、店員の衣装)と同一場所だろう。
そちらにも「やきとり おでん おみや」の看板が登場。 第6章ご参照。



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